わかったつもりはわかっていない。
勉強するとき、文章を読むけど
わかったつもりで終わっては勿体無い。
本書はわかるとはどういうことかが
わかったつもりの原因は何かについて
書かれている。
読解力をつけたいと思ったら
まず本書に目を通せばいいだろう。
正直、高校生のときに読んでおきたかった。
入試現代文で苦労していたので
問題を解くたびにわかったつもりに
なっていたかのだと思う。
本書には懐かしい「正倉院とシルクロード」
が引用されている。
学生時代に出会った文章で
当時はあまり関心がなかったが
再読すると文章同士の内容の関連性を
見出しづらく、
タイトルと無関係な内容もあり、
わかりにくいと感じた。
ある程度しっかり読めていたからだろうか。
話は変わるが、
倉山塾では何が書かれているかより
何が書かれていないかを探ることが推奨される。
何が書かれていないかを探る作業は
文章をわかったつもりから
抜け出すツールになると思う。
何が書かれていないかを知るには
まず文章を理解する必要がある。
それから自分の持ち得る知識で
触れられていない点を推測する。
こうすると行間を読み取るような感覚だが
文章理解は捗るだろう。
少なくとも、色々あるのだなとか
わかったような感じになるよりかは良い。

【編集者後記】
世の中、「わかったつもり」なことって、
意外と多いんですよね…
例えば、自分の職業。
毎日毎日のことなので、
作業自体はスラスラとできるかもしれません。
でも、自分の職業について、
「○○(自分の職業を当てはめてみてください)って何ですか??」
と聞かれたとき、説明できるでしょうか…??
何をするのか、という説明はできるとは思いますが、
それが何か、と言われるとなかなか説明に困るのではないでしょうか…??
これが結局「わかったつもり」
ということなのだと思います。
とはいえ、これはすぐに答えの出るものではありません。
しっかりそれと向き合い、
じっくりと時間をかけて自分なりの回答を出す
類のものなのでしょう。
全てにそれをしなくてもいいでしょうけれども、
自分の好きなものや生業には、
一度しっかりと向き合ってみるのも
いいのではないでしょうか。
