『未来予測入門』上田篤盛(2019 講談社) | 倉山塾東北支部ブログ

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未来予測入門 元防衛省情報分析官が編み出した技法 (講談社現代新書 2545)

 

「どうなるか」より「どうするか」。

これは倉山塾の教育理念とも

言うべきものである。


しかし、「どうなるか」を知らずして

「どうするか」はわからない。

「どうするか」を抜きにして

「どうなるか」を知っても意味がない。


未来予測はどうなるかに視点が当てられるが

最終的にはアクションを取るための材料である。


とは言え、本書の方法はやりごたえがある。

興味深い点は目的と問いが先立ち、

情報収集はその後だ。


目的と問いで枠組をつくれば

情報の波に飲まれずに済むからだろう。


最後はシナリオライティングで予測する。

全部やろうとすれば作業量は多く大変だ。


未来予測の技法は学校や仕事で習わないが

マスターできたとき一目置かれるに違いない。


最後に、これまで歴史に学ぶ際、年表の作成が

推奨されるが、その理由が本書でわかった。


インテリジェンスにはクロノロジー分析

と呼ばれるものがある。

これは年表が使われる分析手法だ。


年表を作成し、問いや枠組を設定した上で

年表の事実を抽出する。

そして、プレイヤー毎の動きを時系列で見れば

相手の動きのパターンや

何か段階を踏んだ動きなのかがわかる。

そうすれば相手の動きを予測できる。


〇〇年に〇〇が〇〇したと

教科書のように事実をただ羅列しても

意味がなく、つまらないだけだ。


まず目的と問いを設定すれば

これまで無味乾燥に見えた年表が

イキイキとしたものに変わるだろう。


未来を予測して、未来の先取りにつなげたい。


 

 



【編集者後記】

学校の歴史の授業は、

無味乾燥なことがよくありました。

そんな記憶がうっすらと残っています…

歴史が苦手、という人も、

年号と事実の羅列の暗記、

みたいな印象で、苦手意識が出てしまった、

という人も多いようです。

その点、何か目的を持って年表を見る、

というのは、学生・生徒のみならず

我々社会人にとっても大事なことですね!


年表と同じで、

無味乾燥でない人生を送りたいものですねぇ…