『本当に役立つ経済学全史』柿埜真吾(2023年、ビジネス社) | 倉山塾東北支部ブログ

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本当に役立つ経済学全史

 

歴史に学ぶとは良く言われる。


経済学史は経済学が

発展していく中で

その経済理論は何のためか

何ができるか、確かな知見を

得ることに意義があると思う。


本書に出てくる古典派経済学の中で

自由貿易(市場取引)と貨幣数量説は

今でも有効な理論だ。


自由貿易(市場取引)では

相対的に得意なものに

集中することで利益を得られる。


全部が得意である必要があるなら

途上国は豊かにならないはずだ。


また貨幣数量説があることで

貨幣量の増減がインフレやデフレを

招く現象を説明できる。


一方で古典派経済学の中には

否定されたものがある。

労働価値説はその例だ。


商品の価格を投入した労動力ではなく

もう一個消費したときの価値で

説明できるようになった。


労働価値説より限界効用理論が

現象をより多く説明できる。

理論の良し悪しは現象を

どれだけ説明できるかで決まる。


異端理論や俗説が出てきたとき

現象の説明をどれだけできるか

疑問を投げかけてみたい。


異端理論に熱い視線を送るより

確かな学問理論で醒めた目を。