『天才』宮城音弥(1967年 岩波新書) | 倉山塾東北支部ブログ

倉山塾東北支部ブログ

倉山塾東北支部は、読書好きな人たちが集まるグループです。楽しみながら知識を深め、情熱を共有し、新たな友人を作ることを目指しています。
このブログではメンバーが執筆した読書感想文と、勉強会で参加者が発表したおすすめ書籍の紹介などをしております。

 

天才 (岩波新書 青版 621)

 

本書は1967年に刊行したものが

 

電子書籍になったものである。


57年前の古い本ではあるが

本書のように天才について

論じた本は多くないと思うので

貴重である。


天才は不安定に見える。

一つの考えに拘る、コンプレックス、

躁と鬱に交互になるなど様々だ。


天才と狂気は紙一重と言われる他、

変人エピソードが語られているが

そのようなものがある理由は

天才がもつ不安定な性格にあると思う。


だがその不安定な性格が

何かを創造することにつながり、

結果、社会に良い変化を起こす。


とはいえ、ある人が天才と

評価されるまでは

周りから変人とか、

パラノイア呼ばわりされる他、

近寄りがたい人と見られるだろう。


さらにその人が生きているうちに

天才と評価される保証はない。

凡人よりハードな人生になると思う。


身近に風変わりな人がいたら

もしかしたら、その人に天才の素質が

あるのかもしれない。


“天才になりたい”


“天才と呼ばれたい“


そのように思う時期は

誰にでもあると思う。


だが天才の生き方は

普通の人より苦しい人生を

歩んでいるように見える。


天才は普通の人生を歩めない

とか聞いたことがあるが

天才と呼ばれる人が持つ性格が

そのようにさせるのかもしれない。