熊谷公男 編『蝦夷と城柵の時代(東北の古代史③)』(吉川弘文館 2015年)読了。
東北の歴史は敗北の歴史―
阿弖流為、安倍氏、奥州藤原氏、戊辰戦争…
常に中央に敗れ続けてきました。
しかし、幾度敗れても東北の人々は起ち上ってきました。
辛抱強いと言いますか、粘り強いと言いますか、とにもかくにも東北人は真面目で素直です。
今次コロナ禍においても、東北人の気質というのもあるのでしょうが、政府の打ち出す政策に多少の不服はあってもよく耐えているように思います。
それが良いか悪いかは別としても…
基本的には東北に住まう民は中央の統制を受け入れてきました。
しかし、政府の圧政に耐えかねて、追い込まれてやむなく起ち上がって敗れてきたのです。
東北は未だ東日本大震災からの復興もなっていませんし、消費税増税のために経済も疲弊しきっています。
それにコロナ禍のためにさらに経済活動を止められ、マスコミの報道や政府の失策で過剰にコロナを恐れ、新型コロナウィルスにかかったことが周囲に知られれば村八分どころか犯罪者まがいの扱いを受けかねない重苦しい空気感…
城柵をどんどん自分達の生活圏に作られ、反抗すれば叩かれるので嫌でも自分の故郷を追われてしまう蝦夷と状況は変わらないように見えるのは私だけでしょうか。
この状況を変えるために、今自分にできることをしなければ。
阿弖流為や安倍貞任にはなれずとも、せめて会津の佐川官兵衛くらいにはなりたい、と思います。
そんなことを感じた1冊です。