木下斉『まちづくり幻想 地域再生はなぜこれほど失敗するのか』(SB新書 2021年)読了。
昨今何かというと二言目には「地域活性化」、「地方を何とかしないと」、「シャッター商店街が…」などの言葉が出てきます。
学生の時分までは、衰退する地域を何とかしなければならないとは思っていても、それがどんな実態なのかというところまでは正直知りませんでした。
少なくとも、日本の“辺境”に住まう人間の一人としては、状況は年を追うごとに悪化しているようにしか見えないのです。
確かに、「何とかしなければならない」と思い、本気で地域再生に取り組み、成果を出している人々や自治体があることはあります。
しかし、それは現在のところ氷山の一角と言っていいのではないでしょうか。
未だ圧倒的多数の地域は衰退する一方であり、私の住む秋田県や東北地方もほとんどがそうした惨状を呈しているものと思います。
なぜ地域は衰退する一方なのでしょうか。
様々理由はあるかと思いますが、本書を読んでみると形だけやっているように見せて、本気でやろうとしていない、というところが大きいように感じます。
つまるところ、補助金をもらうことができれば、ポーズをとっているだけでお金が入ってくるので、それ以上努力しようとしなくなる、ということです。
「地域再生」にまつわる根深い問題、そしてこの先どうしていけばよいのかの道標を本書が示してくれています。
「まちづくり」「地方再生」「地域活性化」といったワードに関心のある方は是非、ご一読をお勧めします。
倉山塾東北支部@kurarath_twhttps://t.co/ZPN3mw5Bms 東北支部 勉強会〈令和3年6月〉
2021年06月12日 17:32