読書感想文:原田泰『ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか』 | 倉山塾東北支部ブログ

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原田泰『ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか』(中公新書 2015年)読了。

 

井上先生の本に引き続き、今回は原田先生のBIの本である。

 

本書を読んでいても、やはり生活保護制度をはじめとする現在の日本の社会保障制度は機能不全なのだということがよく分かった。

 

本当に援助を必要としている人々を助けることができていないからである。

 

手元にもう少しお金があれば、人並みとは言わないまでも、せめて今よりもお金に困らずに生活することができる。

 

BIを導入するのと、BIと内容が重複する社会保障制度と、必要な予算がほとんど変わらないのならば、BIを導入した方がより多くの命を助けることができるのではないか。

 

機能不全で非効率的な制度を廃止し、それで浮いた予算で十分に賄うことができるのならば、「新たな財源はどうするのか」などということを考える必要もない。

 

それから、最低限の所得を国家がしてくれるということは、失敗を許容できる幅が広がるということでもある。

 

一度や二度、多少の失敗をしたところで再チャレンジがしやすくもなるし、職場環境が自分に合わない会社に過度な無理をしてまで勤めなければならない、ということもなくなるだろう。

 

かく言う私も、明日からBIが導入されます、となれば、どれだけ今後の生活に光が見えることか…

 

現在の日本は、失敗した人が非常に生きづらい社会である。

 

それを緩和でき、全ての人々がもっと生き生きと生活できる世の中にすることができるのならば、BIは是非とも導入すべき制度ではないだろうか。

 

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