読書感想文:平井宏治『経済安全保障リスク 米中対立が突き付けたビジネスの課題』 | 倉山塾東北支部ブログ

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安全保障というと、軍事的なものを思い浮かべがちです。

 

もちろん軍事は安全保障を語る上で必要不可欠で、これなくしては安全保障の議論は成り立ちえない要素ですが、それ“だけ”ではありません。

 

そこで、ここ最近ようやく聞かれるようになったのが「経済安全保障」という言葉です。

 

戦後、日本は軍事から目を逸らし、「エコノミック・アニマル」などと揶揄されながらも、まがりなりにも世界有数の経済大国となりました。

 

経済面でそれなりの地位を築いた日本が、まさか経済安全保障の面に疎いとは思いたくありませんでしたが、本書を読むと、これまでの日本が経済面であまりにも無防備であったことに愕然としました。

 

隣国・中国による経済面での脅威は、テレビや新聞で報道されることもありますが、実態は予想以上に深刻であり、手を拱いていては、取り返しのつかない事態になることは必至です。

 

既に多くの技術が流出し、研究者の海外流出も後を絶ちません。

 

しかし、遅ればせながらですが、日本でも経済安全保障の議論がなされはじめたということは、歓迎すべきことです。

 

経済的自由を保障し、国民の生活を豊かにするための規制緩和は必要ですが、その一方で、日本の安全を脅かすものに対する法規制は必要です。

 

経済の議論はこれまでも散々されてきましたが、今ほど経済が重要な時期というものもありません。

 

本書をとっかかりにして、もう少し経済安全保障について考えていきたいと思います。

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