加来耕三『立花宗茂 戦国「最強」の武将』(中公新書ラクレ 2021年)読了。
私の最も好きな戦国武将・立花宗茂の本。
とは言え、これまで宗茂に関わる本は1冊しか持っていなかったので、またきちんと勉強し直そうと思うのだが、本書はその最初の1冊。
さて本書の主人公・立花宗茂は永禄10(1567)年生まれ。伊達政宗・真田信繁(幸村)と同い年であり、俗に言う「花の67年組」の1人である。
実父は吉弘鎮種(高橋紹運)、養父は戸次鑑連(立花道雪)。
二人とも、耳川の合戦での大敗以来斜陽の大友家を最後まで支えた名将。
そして、叛服常なき戦国の世にあって主君・大友義鎮(宗麟)に最後まで忠義を尽くした「武人の鑑」である。
そんな二人の偉大な父の薫陶を受けた宗茂もまた、二人の父の「武人の鑑」としての資質も受け継ぎ、非凡な才を持った類稀なる名将に成長した。
その生涯で自ら指揮を執り参加した合戦では無敗を誇った「常勝将軍」。
九州征伐の一連の戦い、肥後国人一揆、文禄・慶長の役、関ヶ原の戦い、大坂の陣、島原の乱と、その戦功は数知れず。
また、関ヶ原の折に西軍に加担したので改易となるも、旧領(柳河)へ復帰した唯一の大名でもある。
大名として復帰した際も、最初は奥州棚倉なので、一応東北とも縁がある。
正室の誾千代との夫婦仲はよくなかった、というのが通説だが、それも実はそうでもなかった、とする説も出てきているようである。
小早川隆景と昵懇なのが惜しい(成り行き上致し方ない)が、間違いなく日本史上屈指の名将であろう。
立花宗茂-戦国「最強」の武将 (中公新書ラクレ, 712) | 加来 耕三 |本 | 通販 | Amazon