オスプレイとグローブマスター | Kura-Kura Pagong

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"kura-kura"はインドネシア語で亀のことを言います。
"pagong"はタガログ語(フィルピンの公用語)で、やはり亀のことを言います。

 2023年11月29日、鹿児島県の屋久島沖で米軍の航空機・オスプレイが墜落した。現在機体や搭乗者の捜索が続いている。

 ヘリコプターのように垂直に離着陸し、高速で飛行できるとされるオスプレイだが事故をよく起こす。

 その事故が起きたその日の夜、まだ事故原因がわかっていないというのに、沖縄県東村高江の米軍ヘリパッドでは同じ機種のオスプレイの発着訓練が行なわれた、と現地で米軍による環境破壊を告発している蝶類学者・宮城秋乃さんがFacebookで投稿していた。

 オスプレイの事故のたびにヒューマンエラーによるものだ、という説明がなされるが、構造的な欠陥がある、指摘もされている。この航空機は現場の兵士からは「未亡人製造機」と揶揄されている。これが堂々と飛んでいるのは日本だけだという。ヨーロッパにも米軍基地はあるが、それらの基地では地元の合意がなければ航空機の運用や訓練は行なわれない。

 

 日本には中国や北朝鮮の脅威がある、というがだったらどれだけの軍事力があれば国を守れる、というのか。

 軍事力で対立する民衆を押さえつけていたイスラエル/パレスチナで今何が起こっているのか?

 かつて自国の軍事力を過信し、相手国を圧倒できると思って日本の為政者が起こしたのが「支那事変」であり「大東亜戦争」だったのではないか?

 

 

 米軍の航空機事故といえば、私は自分の住む東京都小平市で起きた事故を連想する。1953年6月18日、横田基地を離陸したばかりの米軍輸送機・グルーブマスターが東京都北多摩郡小平町(当時)内に墜落し、搭乗者129名全員が死亡した。

 時は朝鮮戦争中、登場していた兵士たちは休暇を終えて朝鮮半島の戦地へ向かうところだった。

 事故原因はエンジン停止だが、事故機はエンジン不調にかかわらず離陸したようだ。作戦遂行が安全に優先された結果の事故だ。

 

 現場は耕作地だった。『小平市史』によると事故当時農作業をしていた人が重傷を負っている。事故現場の消火や死者の遺体の搬送、現場検証はすべて米軍が行ない、日本の警察、消防は一切事故処理に関われなかった。

 私の父は現場から北東へ1.5kmほど離れたところにある自宅で事故の衝撃音を聞いている。当時の小平は徐々に宅地化が進んでおり、落ちた場所によっては地域住民を巻き込む事故になっていた可能性もある。

 下の写真は現在の事故現場だ。墜落事故により航空燃料や消火剤が飛び散ったことで現場は耕作に向かない土地となった。その後、この場所に新東京自動車教習所という運転教習所が開設され、現在に至る。