ジャニーズ | Kura-Kura Pagong

Kura-Kura Pagong

"kura-kura"はインドネシア語で亀のことを言います。
"pagong"はタガログ語(フィルピンの公用語)で、やはり亀のことを言います。

 今年(2023年)大晦日の『紅白歌合戦』は例年とは異なりジャニーズの男性タレントが出ない、というのが話題になっている。彼らの所属しているジャニーズ事務所の実力者だったジャニー喜多川が長年にわたって所属タレントたちに性的虐待を行なってきたことが問題とされたからだ。

 下にシェアする写真は過去の『TVガイド』新春号の表紙。例年テレビ番組情報雑誌では新春号の表紙やグラビアにジャニーズタレントの写真を載せてきたが今度の新春号はどうなるか。

 

 

 ジャニー喜多川によるタレントへの性虐待はつい最近世に知られるようになったわけではない。1988年、光源氏ならぬ光GENJIを名乗る7人組の少年がローラースケートダンスで人気を博していた時、『光GENJIへ 元フォーリーブス北公次の禁断の半世紀』という元タレントによる告発本が出版されたし、それ以前から性虐待のことは芸能、マスメディアの業界では知られていたことだろう。

 それがBBCという「欧米先進国の一流メディア」に取り上げられることでようやく日本国中に「知られる」こととなったわけだ。

 

 

 今回の性虐待は加害者が一人なのに対して被害者の数が数百人という規模だった。しかしいざこの問題が「知られる」と大騒ぎとなったのは被害者数の規模だけが理由ではないだろう。性虐待の加害者も被害者も男だった。それが大騒ぎの理由だったのではないか。

 

 1990年代、Kinki Kidsが人気だった時期にもジャニー喜多川の性加害を告発した本は出版された。タイトルは忘れたが、本屋で手にとってみたことがある。女子中高生に読まれることを狙ってくだけた話し言葉で書かれたこの本の初めの方にはこんなことが書かれていた。

「女の子のタレントだって芸能界に出るとき上の人と性的関係を持ったりするでしょ。ジャニーズの男の子も一緒だよ。」

ジャニー喜多川が男の子と関係を持つことはあっても、そのほかの「上の人」が女の子と関係を持つのはいいのか?著者は「男の子を好きになることはわるいことじゃない。」と断りつつも、同性愛を異常としているのではないか?

 ここの本の制作者はジャニー喜多川に対する公憤ではなく私怨で本を出しているだけではないのか、と思って本を棚に戻したことがある。

 

 『紅白』からジャニーズが排除されて、それを埋めるのは韓流なのは問題だなどという記事もネットではみられるが、韓流だからなんだというんだ。アメリカならばいいのか、と言いたくなる。

 

 いずれにせよ、白組は男性歌手で、紅組は女性歌手で、というジェンダー対決の構図もつまらないし、『紅白』で歌われるほど流行しているからっていい歌とは限らない。1980年代から私は『紅白』に夢は感じていない。

 

 大晦日の夜は早く寝るに限る。