横断歩道を渡ろうとしていた時だった
後ろからやってきた自転車がわしのすぐ近くを通り過ぎる
そのいきなりの気配に驚き、体中に鳥肌が浮かび上がる
そしてわしは自転車の方に顔を上げる
一瞬で通り過ぎた自転車の向こう側
反対の歩道をゆっくりと進む白い影
オレンジのボンボンがついた白いニット帽を被った老婆
その姿が目に入った瞬間、
今しがたの鳥肌を忘れるほど背筋が凍る感覚
走馬灯のように駆け巡る記憶
平和公園の間近という立地
ここのとこの体調不良
時間にすると1秒か2秒の空白
そのとき!!
あまりの衝撃にわしは車道に進み出ていた
右から走ってきた車にはねられそうになり
ギリギリのところで車は急ブレーキ
鼓動は一気に高まる
再び目を向けた向こうの歩道には
既に見えなくなっていた
オレンジのボンボン
~あとがき~
わしのオーラカラーはオレンジらしいです。