カメラの話はぜんぜんアクセスが伸びませんなはっはっは。
ええぜんぜん気にしませんが。
緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ文字通り不自由な生活が続きますのう。ここはやるしかないので、気合いでやっていきましょう。
この状況下で、具体的に何が不自由なのか、何に困っているのか、ちょっと考えてみたんですよ。
オレの場合はクラゴン部屋という、一般的にはドライビングスクール、サーキットを使ったイベント事業とでも言いますかね。そういうことをしております。
個人的な環境において、具体的に何に困っているかといえば、正直に言えば医療ではないです。それはオレが病院に定期的、あるいは突発的に行く必要がない健康な状態にたまたまいるからです。たまたまなんだけど、実際にそうです。
社会的にフォーカスしているのは医療崩壊ですが、個人としては関係ない人は多いはずです。
そして感染して病気に困らされている人も多くはないです。人口に対する割合でいえば。
最も多くの人が困っているのは何かといえば、集合の制限だと思うんですよね。
人と会えない。集まれない。集団を作れない。
そこです。たぶん。
まずオレみたいに人に来てもらって成立するイベントごとは全てアウトでしょ。会社にも行けない、仕事で会うべき人に会えない、家族でも接することができない。
こうなってみると、人間社会というのは人と人が会うことで成立しているんだなーとよくわかります。
連絡を取るならネットも電話もあって、何か買うにも世界でたぶん一番の宅配サービス網があって、その上でやっぱり会わないと成立しない世の中って、なんか人間らしくていいですよね(笑)。
この非効率なところ、そして非効率を達成すると実は効率よく話が進むところとか、そんな矛盾がとても人類ってカンジ。
自分の仕事で考えても、例えばネットで教えるという発想は、基本的にはないです。やろうと思えばできるし、方法も考えてあって、上手くやることは可能です。人生には万が一ということがありますので、次の選択肢は常に準備しています。英語では「Another option」というヤツです。
ええレースと人生はバックアップあってナンボですから。
そこまで準備した上で、そこじゃあねーんだよなと思うんですよね。
大事なピースが欠けているといいますかね。仕事脳でアレすると「効率が悪い」になっちゃうんだけど。ちょっと違うニュアンスもあります。クラゴン部屋には普通の会社なんかよりはある意味濃い関係を成立させる必要があったりしまして、そこが成立するかどうかが、集合の重要さのアレになるのかもしれません。
実際、会社なんかリモートでいいじゃないか、という話にもなってるしね。薄い関係だから(笑)。
そんなことを考えていたら、NHKの番組で今の状況は「移動の制限である」という話がありまして。
■BS1スペシャル「コロナ新時代への提言~変容する人間・社会・倫理~」
https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2020-05-23&ch=11&eid=11513&f=2443
東京大学准教授の哲学者、國分功一郎先生によると、アガンベンさんという方がそういう話をされていたそうです。イタリアの哲学者だって。
曰く、刑罰の中でも重いものは、「移動の制限」だというんですよ。
おお確かにそうだ。
軽いのは罰金、重いのは懲役。日本には死刑制度があるので一番重いのは死刑ですが、死刑制度がない国では懲役の年数が伸びていくパターンもありますよね。これはつまり移動の制限期間を長くすることが、人にとって苦痛だからこそ刑罰になる。
懲役○年が重いとか軽いとか、社会的な共通認識として把握してはいたけど、なぜ懲役が長いと重い刑罰になるのかといえば、それがとてもキツいからなんですよね。
そうすると、緊急事態宣言下の状況は人類にとって本質的に非常にキツいことで、国家権力が発動するにはパンチがありすぎるので、極力回避するために、あくまでも自粛ということになったともいえるでしょう。
あくびすんな。
KURAGON RACING