ユビナガスジエビ(その3) | クラゲとふわふわ2

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 前回に引き続き、また脱皮しました、これで4回目の脱皮確認です、前回からは、25日目でした、やはり、余りサイズは変わっていないように思います。
 同じようにローズベンガルで着色しましたが、着色後取り出す際に崩壊してしまいました、タンパク質固定をする必要が有りそうですが、保存予定は無いので、ホルマリンでは無く、アルコール固定してから染色したいと思います。


 そして、また抱卵しました。<-産卵が正しい様です。


 大きくなって脱皮したのでは無い様ですし、脱皮後抱卵しているのも前回と同じなので不思議に思い、【スジエビの不思議】ブログの、【やっさん】様にお伺いしました。

 エビは【産卵脱皮】をするそうです、卵巣が成熟すると,脱皮をした後で、第3胸脚基部にある産卵口から出された卵を、腹肢へ運び、これを産卵と呼ぶそうです。
 産卵前には腹肢側も卵の収納スペースを広くする為に、繁殖期にのみ現れる 抱卵性徴(繁殖期二次性徴)が起こり、脱皮をすると、性フェロモンが放出され、雄が集まり、交尾は脱皮直後の軟らかい殻をもっている雌と,固い殻をもっている雄の 間でしか成立せず、交尾をしても、しなくても、雌は産卵脱皮後1~2日後の夜に産卵するそうです。

 【やっさん様は、淡水にすむスジエビを過去に研究されたそうで、ご教示頂いたのは、淡水にすむスジエビだけでなく、海産のスジエビ類に付いても、とても詳しくご教示頂きましたが、私の観察状況と同じ部分を要約させて頂きました、ご教示有難う御座いました。 

 異変を感じたのは前日です、通常ならアクリル管スポイドで餌を与えようとすると走ってきますが、反応が無く、近くに持って行くと逃げようとします。

 翌日の朝、脱皮殻が見つかり、体高が高くなったように思う以外には、その日は変化が有りません( 抱卵性徴だったようです)、残念ながら、2回目の産卵をするとは思っていなかったので、脱皮後から産卵前までの撮影は行っていせんでした、丸一日何も無くその翌日に産卵をしました、やはり、前回同様、卵は濃緑色をしています、オスが居ないので未授精のままですが、しきりに腹肢の卵の世話をしていました、前回は、その翌日には脱卵していましたが、今回は5日ほど残りました、その間は空気を送ろうとしているのか?受精していない卵を外そうとしているのか?世話をしている意味は何だったのでしょか?

 未受精卵も確認したかったのですが、捕獲して隔離するのは、暴れたりして負担を掛けそうなので、そこまでする必要性を感じなかったし、前例から1日で脱卵していたので、産卵日は卵が落ちた所を拾おうと思い、粘りましたが、今回は5日ほど掛かり、落ちそうな場面も有りましたが、拾う事は出来ませんでした。(底面ろ過の為、取り逃がすと、ろ材や貝殻の間に入り込むので見つけられない)

 私が見た1回目の脱皮はその後の産卵を伴っていなかったので、2回目が初産卵だとすると、その時が孵化後4か月位だと考えると、昨年の夏場に幼生が混入したのかも知れません、寿命が2年だとすると、上手く飼育出来れば来年も生存してそうですね。

 そう言えば、今回のシリーズで最初に脱皮殻を掲載した時が、脱皮を確認した2回目ですが、その脱皮殻と比べて(その2)の3回目の脱皮殻は、少し大きくなった様に見えます、その脱皮が産卵脱皮でしたので、3回目の脱皮前辺りで成熟個体になったのかも知れません。

 実際には、もっと詳しくご教示頂きました、正確な情報が知りたい方は、下記ブログをご覧下さい、とても詳しく解説されています。

スジエビの不思議
http://blog.livedoor.jp/p_palaemon/


 それでは、4回目の脱皮後の様子をご覧下さい。
※動画をご覧戴く場合は、出来るだけYouTubeを全画面モードにしてご覧下さい。(Escキーで戻ります)
【動画】YouTube

BGM: NATURAL PIANO STUDIO 奇蹟/Uru/ピアノで名曲を
https://www.youtube.com/watch?v=4-4RJCwIYbo

 産卵後の様子は、前回と余り変わりませんが、エダアシクラゲと、矢印で示した全く異なる別のクラゲも映っています、これでクラゲに繋がりました、一安心です。

 脱皮した日を1日目として映像の最初は3日目から始まります、脱皮前もこの3日目も餌を与えようとすると逃げます、少なくとも3日間は餌を食べていないのですが、映像を見ると胃のぜんどう運動が活発に行われています、胃に蓄えている分を消化しようとしているのでしょうか?その後ろの心臓の鼓動も見えますでしょうか?

 緑藻の一部が溶け始め、小さな節足動物が大量に発生し始めたので、撮影用に一部だけ壁面清掃を行い、その他の部分は、ユビナガスジエビも壁面を歩きやすそうにしていたので清掃せずに残しました。

 すると、いきなりエダアシクラゲが付着してきました、傘径2mm程でかなり成長しています、何を食って成長したのか、藻類が付着したまま水槽壁面を見ると、多くのエダアシクラゲが見つかりました、よく見るとその中に別種も居ましたので、赤矢印で示しています。

 25秒から30秒にかけて、遊離後間もないクラゲが、後ろの方の腹肢の下の方からお腹側を通り、触角方向に抜けて行くのに気付きましたでしょうか?

 5日経ってもまだ多少の卵が残っています、落そうとしているのでしょうか?10日後には、卵は無くなったようですが、腹肢部分は通常よりも膨らんだままの様に見えます。


 胃と心臓の間や下側が黒くなって、次の卵が成熟してきましたので、まだ産卵しそうです。(卵巣の表面には、黒色色素胞が散らばっている為に、発達してくると黒く見えるそうです。)

 初回に紹介したイボニシです、幼生の段階で紛れ込んだようですが、ろ材の上を歩いている時には、起伏が有って見難いですが、立派に育ち偶に水槽壁面に姿を現します。


 ユビナガスジエビにしても、イボニシにしても、何を食べて育ったのか不思議ですが、水槽壁面には小さな節足動物が大量に発生しています、どれだけ発生しているのか探していると、見覚えの有るクラゲが居ました、エダアシクラゲです。


 よく見てみると、10個体以上居ました、撮影前に見失なわない様に、水槽にマークを書いてから、撮影しています、何れも1ミリ程度で、まだ稚クラゲの状態です。


 自然界でも、エダアシクラゲはワカメが枯れ始める頃に、藻場をかすめてネットを引くと捕獲される事が有るので、時期的にもほぼ同じです。


 次回は、今回見つかった別種のクラゲに付いて調べて掲示します、ユビナガスジエビ シリーズとしてまだまだ続きそうです、ご期待頂ければ幸いです。







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