それは、紀州備長炭風鈴の音色が物語っていますが、音色の美しさを使って作られているのはこの風鈴だけではありません。昔、テレビでチラっと見たことがあるのですが、備長炭の木琴『炭琴』なんていうものもあるんですよ。
この『炭琴』の音色、なんともいえない備長炭の美しい響き!
この響きに憧れてどうしても叩いてみたくなったことが…。
◆炭琴風に
昔、炭部屋中の備長炭を引っぱり出してきて、ひたすら叩きまくって『炭琴』風なモノを作ってみたことがあります。
今、探しても見当たらないので、せっかくなのでまたまた頑張って作ってみました。炭を乗せる台まではありませんが、音は一応響きます。ザ、『炭琴』もどき!

木琴には、当然音階があります。まずは音探し。
炭部屋に置いてあるインテリア用の紀州備長炭をありったけ引っぱり出してきて、叩きまくりました。
机の上に直接置くと響きが止められていい音がしないので、細長い箱の上にのせて響きを確保。炭を叩くマレット(バチ)は、細くて短い備長炭で代用。
「『ラ』の音が無い、『ラ』はどれ~?」
といったふうに音探し。
備長炭はどれもいい音がすると思われていますが、100%そうでもありません。中にはしっかり響かず鈍い音がするものもあります。
この動画は、キレイに響く備長炭と鈍い音がする備長炭の音色の聴き比べです。備長炭を置く向きや叩く位置によっても音が変わるのもおもしろいけど困りものです。どれだけ違うか?実際に音を聞いてみましょう!
微妙な音程の備長炭を省いて、響きが全くしないものも省いて、同じ音程の炭は要らないし…といった感じで、本数にしたら、100本近く?音階に近い響きをする炭を探し出すだけで2時間もかかってしまいました。
ふぃ~。
さて、微妙な音程の違いは、本来なら炭を削って調整したりするのですが、今回は少し多めにみていただいて、出来上がった『炭琴』もどき、演奏してみましょう。店長亀山ならではのこの曲、お聴きください。
ほほほ。一応曲になっているでしょ?
いい響き♪ やはり、木琴と同じで長い備長炭は低い音、短くなるほど高い音になっています。
◆炭の太さと音の関係
ここでふと思ったこと、太さが違ったら音も変わるのかしら?
実際に試してみました。
あれ?想像していたのと違う!細い紀州備長炭ってこんなにいい響きがするもの?
同じ長さの備長炭でも、太さが細くなるとかなり音色は低くなりました。長い炭よりは短い方が高い音、これは同じなのですが、中には同じ位の長さ太さでも、こんなに音の高低差が…。
おもしろーい!!
ひょっとして、これは炭のしまり具合に関係があるのかも?
備長炭を焼き上げる最後の段階で『窯出し』という工程があります。真っ赤に焼けた備長炭を窯の外へ出す時に最後の仕上げをします。炭焼き職人は「しめる」と呼びます。この時に、備長炭の硬さを硬くするか柔らかめ(といっても通常の炭よりははるかに硬いのですが)にするかが決められます。
硬い備長炭は、焼き鳥屋さんなど炭火を上手く操れるプロ向け。炭火を上手く使えない素人さんには柔らかめの方が火がつけやすく、火力も扱いやすいので、柔らかく焼く方が好みの職人さんもいらしゃいます。ここで、備長炭の硬さが決まります。
同じ長さ、太さでも締まり具合が違うと音色も違ったり?
だんだんと話がマニアックになってきましたが、備長炭のしめの度合いと響き、音の高低は何か関係がありそうな気がします。
インテリア用の紀州備長炭は、今は、部屋の消臭・空気清浄を兼ねたインテリアとして使われている方がほとんどですが、備長炭の音を楽しむといった使い方をするのも、また楽しいかもしれません。
あ、でも、その時は、
「ドレミの音の備長炭を下さい」
なんていうご注文はご遠慮くださいね。炭の音程の調律まで出来る炭屋さんになるのは簡単ではなさそうですので~。


