●京極夏彦 『虚実妖怪百物語・序』 角川書店 | 新・駅から駅までウォーキング

新・駅から駅までウォーキング

歩けるうちは歩きましょう!

京極夏彦 『虚実妖怪百物語・序』 
          角川書店  2016.10.22発行 




虚実妖怪百物語 序 (怪BOOKS)/KADOKAWA
¥1,512
Amazon.co.jp




★本の内容(Amazon.co.jpより引用)


復活した魔人・加藤保憲と太古の怨念。
窮地に立たされた榎木津平太郎、
荒俣宏、京極夏彦らの命運は!?

シリアの砂漠に現れた男。
旧日本兵らしき軍服に、五芒星が染め付け
られた白手袋。
その男は、古今東西の呪術と魔術を極めた
魔人・加藤保憲に、よく似ているように
見えた――。


妖怪専門誌『怪』の編集長と共に水木プロを
訪れたアルバイトの榎木津平太郎は、水木
しげる氏の叫びを聞いた。
「妖怪や目に見えないモノが、ニッポンから
消えている!」と。
だがその言葉とは逆に、日本中に次々と妖怪
が現れ始める。
錯綜する虚構と現実。
物語が迎える驚愕の結末とは――。


★ここだけの話


直木賞作家、京極夏彦の最新作です。


実在の人物である水木しげるや荒俣宏、著者
の京極夏彦や多くの雑誌の編集者たちが登場
します。
彼らの周辺には次々と妖怪が姿を現します。
そればかりか、時間がたつにつれて日本中に
妖怪が出没していきます。
こうした妖怪は、本来姿や形がはっきりせず
見た者によって違うものに感じるはずです。
それが同じものに見えるのは、漫画や古い
書物に描かれた妖怪の画が頭の中に共通して
残っているからだ、と京極夏彦は言います。


本来概念だけで、実体の伴わない妖怪たちが
なぜ日本中にあふれかえってきたのでしょう
か。


この本の中心人物の一人に榎木津平太郎と
いう名前の青年がいます。
この人は、どう考えても薔薇十字探偵社の
榎木津礼二郎の子孫ではないでしょうか。
彼は子爵家の次男で、親からもらった金で
神保町にビルヂングを建て、探偵を始めま
した。
昭和25年の秋のことでした。
そのうち関係が明らかにされていくかもしれ
ません。


ところで、「不思議なことなど何もないの
だよ」という立場の京極夏彦ですが、どう
やってこの現象を説明していくのでしょう。


次の展開がどうなるのか、まったくわかり
ませんが、途中でやめられない作品である
ことは確かです。