●内山純 『Bハナブサへようこそ』 東京創元社 | 新・駅から駅までウォーキング

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内山純 『Bハナブサへようこそ』
          東京創元社 2014.10.17発行
 



Bハナブサへようこそ/東京創元社
¥1,836
Amazon.co.jp





★本の内容(Amazon.co.jpより)


僕――中央(あたりあきら)――は、大学院に
通いながら、元世界チャンプ・英雄一郎先生
が経営する、良く言えばレトロな「ビリヤー
ドハナブサ」でアルバイトをしている。
ビリヤードは奥が深く、理論的なゲームだ。
そのせいか、常連客たちはいつも議論しなが
らプレーしている。
いや、最近はプレーそっちのけで各人が巻き
込まれた事件について議論していることもし
ばしばだ。
今も、常連客の一人が会社で起きた不審死の
話を始めてしまった。
いいのかな、球を撞いてくれないと店の売り
上げにならないのだが。
気を揉みながらみんなの推理に耳を傾けてい
ると、僕にある閃きが……。
この店には今日もまた不思議な事件が持ち込
まれ、推理談義に花が咲く――。

第24回鮎川賞受賞作。


★ここだけの話


タイトルの「B」はビリヤードの略です。
ビリヤード店・ハナブサでアルバイトをして
いる中央(あたり・あきら)が事件の謎を解
くという内容の作品が4編おさめられていま
す。
すべてビリヤードからのひらめきで難しい事
件も解明されていくところがおもしろいです。
また、この本はビリヤードの勉強にもなりま
した。
今後ビリヤードのネタが切れない限り、この
シリーズは続けられるのではないでしょうか。
非常に楽しみです。


またビリヤードの店を訪れる客たちも、それ
ぞれ個性があり、とても楽しい雰囲気を創り
だしています。
自然と人々のたまり場になっていくのも当然
だとうなづけます。
4編とも気持ちのよい爽やかな作品だったと
思います。


鮎川哲也賞も、もう24回目になるんですね。
受賞者の中で芦辺拓、故北森鴻、最近では青
崎有吾の作品は大好きで、そのほとんどを読
んでいます。
今年も将来性のある方が受賞されました。
まだまだ「本格もの」は大丈夫です。