●青崎有吾『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』東京創元社 | 新・駅から駅までウォーキング

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青崎有吾『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』
           東京創元社 2014.4.25発行 
 


風ヶ丘五十円玉祭りの謎/東京創元社
¥1,728
Amazon.co.jp




  
★本の内容(Amazon.co.jpより引用)


相変わらず学校内に住んでいる裏染天馬のも
とに持ち込まれる様々な謎。
学食の食品をめぐる不可思議な出来事、吹奏
楽部内でのトラブル、お祭りの屋台のお釣り
にまつわる謎ほかに、裏染の妹の華麗な謎解
きを加えた、全五編+「おまけ」つきの痛快
推理連作集。
『体育館の殺人』『水族館の殺人』につづく
シリーズ第三弾。
なな、なんと“平成のエラリー・クイーン”
が、日常の謎に挑戦。


★ここだけの話


『体育館の殺人』と『水族館の殺人』に登場
したメンバーが活躍します。
今回は殺人事件はなく、学園・日常の謎ミス
テリです。


短編5篇中3篇は、袴田柚乃の視点で書かれ
ていて、前の長編2冊と同じ形式をとってい
ます。
もちろん探偵役は裏染天馬です。

残り2篇は、針宮理恵子の恋愛にまつわる話
と天馬の妹の裏染鏡華が探偵をする話です。


今回のタイトルにもなっている『風ヶ丘五十
円玉祭りの謎』。
どうしても『五十円玉二十枚の謎』を思い出
してしまいます。
これは推理作家の若竹七海が、大学生のとき
に体験した奇妙な出来事を巡る謎です。
その奇妙な出来事とは、若竹七海がアルバイ
トをしていた池袋の書店で、毎週土曜日にな
ると50円玉20枚を握りしめた男が現われて、
千円札への両替だけ済ませるといそいそと帰
っていったというものです。
今までに法月綸太郎、依井貴裕、有栖川有栖
などのプロ作家や一般公募による謎解きが大
変おもしろかったことを記憶しています。
多分、このことがヒントになって、50円玉を
使う謎に挑戦したのではないでしょうか。


裏染天馬の妹である鏡華の真のキャラクター
が明らかになり、それは想像以上の中学3年
生であることにビックリしました。
ただし、探偵するところは兄ゆずりです。


「おまけ」として、裏染天馬の父親が登場す
るシーンも描かれています。
サウナでばったり出会うという設定です。


今後を見据えて、裏染天馬の家族を紹介して
おく必要があったようです。
まだまだ、このシリーズは走り続けることで
しょう。
中心人物は高校2年、だからあと1年は大丈
夫だと思います。