三上延 『ビブリア古書堂の事件手帖5
~栞子さんと繋がりの時~』
メディアワークス文庫 2014.1.24発行
- ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)/KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- ¥599
- Amazon.co.jp
★本の内容(Amazon.co.jpより引用)
驚異のミリオンセラー。
日本で一番愛される文庫ミステリ、待望の
最新刊。
静かにあたためてきた想い。
無骨な青年店員の告白は美しき女店主との
関係に波紋を投じる。
物思いに耽ることが増えた彼女はついにこう
言うのであった。
必ず答えは出す、ただ今は待ってほしいと。
ぎこちない二人を結びつけたのは、またして
も古書だった。
いわくつきのそれらに秘められていたのは、
過去と今、人と人、思わぬ繋がり。
脆いようで強固な人の想いに触れ、二人の
気持ちは次第に近づいているように見えた。
だが、それを試すかのように、彼女の母が
現れる。
この邂逅は必然か?
彼女は母を待っていたのか?
すべての答えが出る時が迫っていた。
★ここだけの話
文庫書き下ろしの作品で、ついにシリーズ
5冊目になりました。
CX系列でテレビドラマ化されたので、一躍
誰もが知っている有名な小説になってしまい
ました。
主人公の五浦大輔が働くビブリア古書堂。
この店の店主、篠川栞子が客の持ち込む古書
に係わる謎や秘密を鮮やかに解き明かします。
さらに前作で10年以上音信不通だった母親
の篠川智恵子が登場しました。
今回の5作目でも存在感たっぷりに登場して
母娘の絆が垣間見られます。
物語の中で、手塚治虫『ブラック・ジャック』
と寺山修司『わらに五月を』にまつわる話が
大変おもしろく、なおかつ良く調べられてい
ることにビックリしました。
また大輔と栞子の関係も進展した様子。
甘酸っぱいムードが漂う終盤です。
しかし次の作品では、栞子にケガを負わせた
人物のお礼参りが予想されます。
今回わかったこと。
栞子の父から母へのプロポーズと、大輔から
栞子へのプロポーズが全く同じだったこと。
30年の時を隔てて、ビブリア古書堂では
うり二つの光景がみられたんですね。
4作目で中間点を過ぎたと言っていますから、
多分7作でシリーズ完結の予定のようです。
いよいよあと2作、物語がどう展開していく
のか、とても気がかりです。
栞子が大輔の前から姿を消してしまわないよ
う、ただ祈るばかりです。
そして毎回書いていますが、本当によくできた
小説です。