●五十嵐貴久『キャリア警部・道定聡の苦悩』角川書店 | 新・駅から駅までウォーキング

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五十嵐貴久『キャリア警部・道定聡の苦悩』
          角川書店  2013.12.30発行 
 

キャリア警部・道定聡の苦悩 (単行本)/KADOKAWA/角川書店
¥1,680
Amazon.co.jp



★本の内容(Amazon.co.jpより引用)


東大卒で警察庁に採用されたエリート中のエ
リート、道定聡、25歳。
将来を約束されたキャリア組として群馬県警
に配属され総務課長を務めていたが、ある日、
部下の不祥事により責任を負わされることに
なる。
異動先は、まさかの警視庁捜査一課強行犯三
係だった。
道定は新米刑事として、スタイル抜群の美人
だがまったくやる気のない山口ヒカルとコン
ビを組まされることに。
何も分からないまま、新宿で起きた高層マン
ションOL飛び降り事件の現場に向かうが…。
(第一話「Gの密室」)
ミチサダ&ヒカルの“迷”コンビが、完全犯
罪と思われた5つの難事件に挑む!


★ここだけの話


多分こんなことはありえないという状況設定
です。
主人公の道定の階級は警部、コンビを組めと
強要された山口ヒカルは警部補です。
階級社会の巣窟のような警察署で、上下逆転
のようなことが起きているんです。


ドSの山口ヒカルからは、「ミチサダ」と正
しい名前で呼んでもらえません。
道定を音読みした名前をつけられ、かなりお
ちょくられています。
それでもなんとなくいいコンビに育っていき
そうです。
結構、この2人、それぞれに奇抜な事件の謎
を解明しているんですよ。


全部で5編の短編が載っています。

そのうち第4話の「ダブル・フェイス」は、
一卵性双生児のどちらかが犯人というところ
まではわかったものの、「こちらが犯人だ」
とは断定できない状況を描いています。
殺人時の目撃者がいるのですが、全く同じ顔
をした2人ですから1人に特定するのは難し
いでしょう。


また、最後の「落人の首」。
これは村おこしのイベントの前日、首のない
死体が発見されます。
被害者は誰なのか、なぜ首を落とさなければ
ならなかったのか、ここの謎解きがおもしろ
いです。


5編とも読み終えてしまえば、「な~んだ」
というくらいあっけない内容ではありますが、
2人のキャラで楽しい作品に仕上げています。
ただし今回の作品、このまま映像化するのは
無理があるかもしれません。
少なくとも呼び名は変える必要があると思い
ます。