寄り道ギャラリー1分間(その142)
ギュスターヴ・クールベ
『波』1870年頃
(国立西洋美術館蔵)
★ちょっとひとこと
ギュスターヴ・クールベ(1819~77)はフランス、
スイス国境に近いオルナン村の生れ。
家が地主で裕福だったが、父親の反対を押し切って
画家になる決意をし、20歳でパリに出る。
1844年にサロン初入選。
1855年のパリ万博の美術展に「画家のアトリエ」と
「オルナンの埋葬」を出品するが落選する。
このため博覧会場のすぐそばに自分の作品だけを
1フランで見せる個展を開催した。
これが世界最初の個展だと言われている。
クールベは「レアリスム宣言」において「自分は
生きた芸術をつくりたいのだ」と言っている。
現実をそのまま描くことを目指したのだ。
「天使を描けと言うなら、天使を見せてくれ」と
言った有名なエピソードもある。
1865年からノルマンディーの海岸を訪れ、その
風景を多数描いた。
特にトルーヴィルやエトルタの海岸を描いたもの
が多い。
これらの海岸はコロー、ブーダン、モネなどの
制作舞台でもあった。
『波』はエトルタの海岸で描かれたものと推測
されている。
動きを感じさせる波の表現が気にいったのか、
同じモティーフの作品が数点描かれている。
寄り道ギャラリー1分間(その142)
‥クールベ(6)
2011.4.24 & 2011.7.23 & 2012.7.3