見えぬものに ついてくるなと 叫んでる
三津田信三 『ついてくるもの』
講談社ノベルズ 2012.9.5発行
- ついてくるもの (講談社ノベルス)/講談社
- ¥924
- Amazon.co.jp
★本の内容(Amazon.co.jpより)
高校2年生の私が、学校の帰り道にちらっと目にした、
えも言われぬほど鮮やかな朱色。
それは廃屋の裏庭に飾られたお雛様だった。
どれも同じ箇所が傷付けられていた人形たちの中で、
一体だけ無傷だったお姫様を助けなければと思った
私は……(「ついてくるもの」)。
正視に堪えない恐怖の、最新ホラー短篇集。
表題作ほか6編を収録!
★ここだけの話
この短編集は7作すべてが、作者または祖父江偲が人
から聞いた怪異譚を書き表すという形式をとっています。
どれもホラー的な要素たっぷりの内容です。
それに今回は江戸川乱歩の作品、作風を意識したものが
多く感じられ、乱歩を読んだ方なら、さらにおもしろさ
が増すでしょう。
特に「八幡藪知らず」という作品。
作者がはじめて乱歩の作品に出会ったのが、小学校の
図書館にあったポプラ社のシリーズだということが書か
れています。
これはまさに私も同じ。
乱歩からミステリ好き人間になってしまったのです。
入ってはいけないところに少年たちは興味を持つもの
です。
しかし、一緒に探検した何人かの友達は、その後別々の
原因で死んでしまいます。
これは恐怖ですよね。
恐ろしいですよね。
こうした中身の濃い短編が集められています。
得体のしれない何かにとりつかれたらどうしよう。
背筋のゾーッとするような作品ばかりです。