◆寄り道ギャラリー1分間のヨハン・ハインリヒ・フュースリ | 新・駅から駅までウォーキング

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寄り道ギャラリー1分間(その125)


今日は、ヨハン・ハインリヒ・フュースリ



私の好きなミステリと海外旅行


ヨハン・ハインリヒ・フュースリ
『グイド・カヴァルカンティの亡霊に出会うテオドーレ』
1783年頃
(国立西洋美術館蔵)


★ちょっとひとこと


ヨハン・ハインリヒ・フュースリ(1741~1825)は
スイスのチューリッヒの生まれ。
早くから神学、哲学、文学を勉強し牧師となったが、
政治活動をした結果、スイスを離れざるを得なくなっ
てしまった。
最初にドイツ、次いで1764年以降イギリスに滞在する。
1768年、画家ジョシュア・レノルズと知り合い、画家に
なることを勧められる。
1770年からは画家として修業するため、イタリアへ
赴き、1780年イギリス、ロンドンへと戻る。
1790年にロイヤル・アカデミーの正会員に選ばれ、
絵画部門の教授を務めた。


フュースリの作品はシェークスピアをはじめとする
イギリス文学に題材をとったものが多い。
しかしこの絵は、ボッカチオの「デカメロン」の一部
を下敷きにしているらしい。
恋するホノーリアから冷淡にあしらわれたラヴェンナ
の青年テオドーレが森の中を歩いている。
すると、やはり同じように恋人からの冷酷な仕打ちに
耐えきれず自殺したグイド・カヴァルカンティの亡霊
が、馬上から、裸で逃げ惑うその恋人に獰猛な犬を

けしかけている場面に出くわしたところを描いている。


ドロドロとした夢の中の世界、そして劇的な物語の
一場面を強調するスタイルは彼独特のものであり、
その迫力に圧倒されてしまう。


寄り道ギャラリー1分間(その125)
           ‥ヨハン・ハインリヒ・フュースリ
2011.4.24 & 2011.7.23