鮮やかに 古書にまつわる 謎を解く
三上延
『ビブリア古書堂の事件手帖3
~栞子さんと消えない絆』
メディアワークス文庫 2012.6.23発行
- ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)/アスキー・メディアワークス
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★本の内容(本の裏表紙より)
古書と絆、大ベストセラー人気ミステリ
鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに
似合わず様々な客が訪れる。
すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような
陳客も。
人々は懐かしい本に想いを込める。
それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。
美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められた
その「言葉」を読みとっていく。
彼女と無骨な青年店員が、その妙なる絆を目の当たり
にしたとき思うのは?
絆はとても近いところにもあるのかもしれない。
これは“古書と絆”の物語。
★ここだけの話
文庫書き下ろしの作品で、シリーズ3冊目になります。
主人公の五浦大輔が働くビブリア古書堂。
この店の店主、篠川栞子が客の持ち込む謎や秘密を
鮮やかに解き明かします。
前の2冊同様に、古書だからこそ、歴史をもった品物
だからこそ、時代を超えてそれぞれの家族の肖像が
浮き彫りにされていくわけです。
今回はシリーズ最大の謎、失踪している栞子の母親・
篠川智恵子のことに少しずつですが進展がみられます。
なぜ、子供2人を残して姿を消してしまったのでしょ
うか。
亡くなった父親は、もちろん知っていたことでしょう。
また母親が残していった坂口三千代『クラクラ日記』
に書かれているメールアドレスに、妹の文香がメール
していることが今回初めて明かされました。。
ただ本当に母親に届いているのか、返事は全くありま
せん。
しかし別の古書店主のもとに届いたクリスマスカード
には五浦大輔のことが書かれていて、やはりメールを
読んでいる気配がします。
母親として娘のこと、そして店のこと、気になって
いる様子です。
このことは姉は気づいていません。
でも彼女は必死で母親の手がかりを探しています。
もしかしたら主人公の五浦大輔が次回作あたりで
大活躍して進展させることに期待したいと思います。
タイトルの「消えない絆」とは、家族のことです。
篠川家の家族、このあと一体どうなるのでしょう。
早く知りたくてたまりません。
次のシリーズ4冊目は「あとがき」によると、冬と
書いてありますから、あと半年我慢しなければならな
いようですね。