シカゴ美術館(16)‥印象派、ベルト・モリゾ
ベルト・モリゾ
『化粧をする後向きの若い女』1875~80年
★ちょっとひとこと
ベルト・モリゾ(1841~1895)はフランスの
ブールジュ生れの女性画家。
印象派の女性画家といえば、すでに2回目に書いた
メアリー・カサットと、このベルト・モリゾのこと
になる。
彼女はマネの絵画のモデルとしても知られ、後に
マネの弟と結婚している。
もちろんモリゾの写真も残されているが、マネの
描いた「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」
の彼女が一番美しく輝いて見える。
第1回印象派展に出品した、姉とその次女を描いた
「ゆりかご」は素晴らしい作品だ。
彼女の姉は一緒に絵画を習っていたが、結婚、出産
のため、画家になる道をあきらめている。
上の『化粧をする後向きの若い女』は、どこかしら
ドガの構図を感じ取れる作品だ。
モリゾは、家族を描いたものに傑作が多い。
夫や一人娘や家政婦などの日常をやわらかく表現
している。
家事や育児があるため、他の男性画家のように、
制作旅行に出かけることもままならず、屋外と
いえば自宅の庭に限られていた。
そしてどの作品も、素早いタッチで描いたという。
シカゴ美術館(16)‥印象派、ベルト・モリゾ
2010.10.12