別冊リツコング-NAVI CARSです


K編集チョ、またもややってくれました。
VOICE Publicationからクルマ雑誌、NAVI CARS 創刊!
この不景気な時期に、素晴らしいことです。パチパチパチ。


別冊リツコング-載っています


「あなたのドライブミュージックおしえてください!」
というコーナーでコメントしていますよ。


本当はね、K編集チョから、

「クニイさんの愛車、誌面に出してくれないかな?」

というありがたいお話をいただいていた。
でも私、いまってキャンピングカー1台しか持ってなくて、
そのクルマで旅、スーパーの買い出し、

この間行ったアウトレット も、全部こなしている。
大きなキャンパーで世田谷の小径をウロウロ。
目立ってしゃーない(笑)。


ネタ的にはだいぶおもしろいけど(笑)、
車内で寝泊まりすることももちろんあり、
ジブンの旅の寝床を世間様に明かすのもアレだよなぁ。
泣く泣くお断りした……、というわけだったんです。



それはそうと、クルマ。
大のクルマ好きだった亡き親父。
物心付いたころには、クルマはまるで家族の一員みたいな生活を
送ってきた私である。


なにかにつけてしょっちゅう衝突していた親父と私だが、
彼のクルマの趣味はいまでも好きだし、私の人生に色濃く影響している。


クルマって、その人のお財布具合が外から丸見えになる、

わりと気を遣う乗り物だと思う。

若い女性が、ピカピカのベンツやポルシェに乗っていたら、
実家が金持ちか、それとももうひとりのパパがいるのか、
もしくは、お水の世界で成功したのか……。うーむ。
と言った具合で、いやしい詮索をヒトに与えてしまう。


そんななか、親父はパッと見、値段がよくわからないクルマ、
だけど「あんたも好きね~」と、
誰かからほほえましい苦笑をされるモノばかり、さらりと乗ってきた。


実家のガレージには、決して高くはないけれど、

様子のおかしなクルマがいつも停まっていた。


たとえば。

どこからこんな色、見つけてきたんだろう。


別冊リツコング-ゴルフ Diesel


すごくかわいくないですか?

ソリッドなグリーンの、ゴルフDiesel。


別冊リツコング-特等席


ボンネットは私の特等席。
ぶっさいくな顔をしている子どもは私ですが、なにか(汗)。
ちなみに番長はオレンジ・ジャージ。痩せてるね(ぼそっ)。


小学校1年生の夏休みには、


別冊リツコング-Rover3500


Rover3500で、ハッチバックのトランク部分に布団を敷いて、
渓流釣りをしながら北海道を旅した。
行くのはいつも、ヒグマがいまにも出そうな山奥ばかりだった。
クマやアブにおびえながら、いやいや釣り糸を垂らした。


80年代のイギリスといえば、不景気で不景気で、
国自体死んじゃっているような時代で、
それがこのRoverには、よく反映されていた。
おもしろいほど、いろんなところが壊れたのだ。
窓が閉まらない、マフラーが落ちた。
1年のうち、半分くらいドック入りしていたんじゃないかな。

代車で来たジャガーに、「わっほーい、ジャガーだぜ♪」なんて
家族みんなで喜んだのもつかの間、その日のうちにジャガーも壊れた。

だからなおさら、この写真を見ていると、
よくもまぁ、こんな危なっかしいクルマに寝泊まりしつつ、
小さい子どもを連れて、北海道なんて行ったもんだよ。
親父の無謀な勇気を褒め称えたい(笑)。


そのほかにも、トランザム (ナイトライダー仕様)コルベット

ワゴンと言ったら“商業車”だった時代、
艶消しグレーの軍用車みたいなメルセデスTE の中古を

急に買ってきたこともあった。



パッと見値段がよくわからないクルマ、
だけど「あんたも好きね~」と、
誰かからほほえましい苦笑をされる……。
そんなクルマを愛す親父のDNAをしっかり受け継いだ私は、
26歳のときに86年式のメルセデスSL500 を購入。
スポーツスターの新車よりも安かったソレが、
初めてジブンで買ったクルマだった。
サーフィンを始めた29歳、ダッジ・デュランゴ (5.9L)、
峠も楽しめる4WDが欲しいと思い、32歳ジープ・コマンダー (5.7L)。
どのクルマも中古で買ったのだが、全部5リッター越え。

いまくらいの時期、税金の支払いがんもう大変だったよ。
クルマのためにがんばって働いたね。
「エンジン貯金」なんてもの作ってね。アホだね(笑)。



でもね、正直言うと最近ちょっとクルマ熱、冷めていた。

私が好きだった愛すべきお馬鹿なクルマ、

どれも燃費がよくないし、ということは環境にダメージを与えるし、
煙草と一緒で、いまの世の中には時代遅れだよね。
そう思い始めてから。


かといって、ハイブリッドカーとかEV車とか、
試乗してみたいし、興味はあるけど、

いざ所有したいかと聞かれたら、答えは「NO」だ。
やっぱり私は、たとえばどこかのサービスエリアで、
もしくはショッピングセンターの駐車場などで、ぽつんとたたずむ愛車を、
ああ、かわいいな、この角度から見たら最高だな、

なんてことを思いながら、たっぷりの愛を持って眺めたい。
きっと親父も、そういう気持ちでクルマに接していたに違いない。
いま出回っている“エコ”と銘打つクルマたちには、そういう感情は、
残念ながら持つことができない。


だったら、クルマなんか要らない。


そう思い、現在私はライフスタイルに一番合っている
キャンピングカーのみ所有している、というわけ。

便利だし、旅の幅はうんと広がったけど、愛着はとくにない。

とにかく壊れないように、長く乗れるように、

海から帰った後の下回り洗車だけ、こまめにやっている。
なんかドライな付き合い方、だけどね。



と、話がずいぶん長くなったけど、今回のNAVI CARS。

心をわしづかみにされたね。


別冊リツコング-かっこいい


クレイジーケンバンドの横山剣さんの愛車。
なに、このかっこいいクルマ、どこの? なんてやつ!?
ふーん、石田純一さんてフェラーリ599 乗ってるんだ。いーじゃん!
アルファロメオ、ジュリアジャルディネッタ
こういうクルマも好きだわ~。
雑誌にかぶりついて、熱心にページをめくっている私がいた。


ここ数年抱えていた、もやもやした気持ちが一気に吹っ切れた。
ジブンが乗りたいクルマ、乗ればいいじゃん!

それが「正解」。
簡単なことだったね(笑)。
K編集チョ、すてきな雑誌を出してくれて、ありがとう。
久しぶりにすがすがしい気分になりました。