二世教育の将来を共に考える (10) | 親と子の訓読家庭教会

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二世教育の将来を共に考える



挑戦的訓練と為に生きる教育の関係

先回から「為に生きる」生活教育で重要な三つのポイントを説明し始めましたが、今回はその中の「正しい価値観」の続きで、二番目の「挑戦的訓練」について考えてみたいと思います。


先々回でも少し述べましたが「為に生きる」活動というのは、私達が出来る仕事を、出来る範囲内でやるだけでは、長い目で見た場合に、あまり成長の糧にはなっていません。子供達にとっても同じで、「為に生きる」活動は最初の教育として、動機付けさせて行くには大変に有効な手段ではありますが、ちょっと我慢すれば終わる奉仕活動や、楽しいだけのボランティア運動では、自己満足に終わってしまうだけでなく、悪いケースでは、活動を通して心情復帰をするどころか、自分達は周りの子供より立派な子供だと思い込んで、傲慢になってしまう場合もあります。実際その様な問題を抱えている奉仕団体やボランティア達を、私自身が教えていた学校でも沢山見てきました。

ご存知の様に、御父様は何も見返りを求めずに与え尽くすのが「真の愛」の本当の基準であるといつも語っておられます。更に、与え切ってゼロになった時点で神が働く事を何度か語っておられますし、ほとんどの人はその限界を超える前にあきらめてしまうので神が働けず、結果的に成功もしないとも言っておられます。そういう場合は本人の具体的神体験も少ないことでしょう。



どう訓練させるのか

しかし、実際問題として、私達がその様な基準をいつも保ち続けることは難しいことであり、ましてや幼い子供達に、その様なレベルを要求すること自体無茶な話です。ですから、子供達のそれぞれの年齢と基準に合わせ、少しずつ彼らの限界に挑戦させて、それを乗り越えさせて行けばいい訳です。大事な事は、我々親達が自分の子供達の良い所と限界点の両方をよく理解して、良い所を褒めて刺激しながら、同時に彼らの限界を一つ一つ乗り越えさせて行けば良いのです。


それでは以上の事を、具体的にどの様に指導して行けばいいのかを、中・高校生以上を対象とした一般的な例で説明してみます。それは、まるで私達が経験した万物復帰や伝道活動の時の様に、始める前の内的目標と外的目標を立てさせる事と、終わった後の反省会をする事です。勿論、我々の時の様に必ずしも形式ばってする必要はありませし、毎回する必要もないかもしれません。なんとなく自然にそういう話が出来ればそれでもいいのです。大事なことは、目標を立てることと反省をすることで、それを二三回で終わることなく、学校教育と同じ様に何年もかけてやる事です。


目標の立て方と反省のし方のポイントとしては、今子供が何に挑戦しているのかを良く見極め、タイミング良く、一番必要な事に重点を置くことでしょう。これは信仰生活だけでなくスポーツをも含めて全ての教育に共通して言える事ですが、どんなに正しい事も、闇雲に詰め込んでいくと消化出来ないで、ただ困惑してしまうだけです。その意味では、私達が体験してきた伝道活動や新人教育の場合とよく似たところがあるとも言えす。



何に挑戦させるのか

それでは次に、何に挑戦させていくのかを、同じ様に中・高校生以上を対象にした一般的な例で考えてみましょう。勿論、最初はどんな動機でサービス活動を始めてもかまいません。しかしながら、内的なものを押さえながら、子供達が活動を続けていくと普通「動機の限界」と「継続の限界」にぶつかって来ます。つまり、自己満足や虚栄心では続かないし、又理解して欲しい気持ちや、受け入れてほしい気持ちでやっても続かなくなって来るのです。つまり彼ら自変らなければ続けられなくなって来ると言う訳です。


でも、そこでやめてしまっては元も子もありません。逆にその時がチャンスです。あきらめないで継続することは難しい事で、特に中学生位の子供達は基本的に移り気で、飽きっぽいので更に大変です。時には「自分には愛がない」と言って自己嫌悪に陥る事もあるでしょう。勿論、最初から完全に他人を愛せる人はいませんから、人間には「成長期間」がある事を良く理解させながら、続ける事の大切さを説きます。


更に、ただ単に継続するだけではなかなか変らない事も出て来ます。そこで、我々が子供達を人間的に愛したり、別な事で喜ばせたり、紛らわせるだけでは本当の意味で「神」には出会えないかもしれません。むしろそういう時こそ、出来るだけ「神を意識」することを教えるのです。形式ばった祈祷でなくてもいいのです。それより、辛い時こそ、「神」に報告し尋ね求めながら、更に続ける事を指導するのです。そして、親の励ましとサポートとに、ある一定期間負けないで続けて行くと、色々な個人的神体験が初まるのです。このプロセスについても後の項で、例を挙げながら詳しく説明したいと思います。(次号につづく)

                  (2011年12月11日付)