失業率が上がれば経済成長する | 気力・体力・原子力 そして 政治経済

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原子力と経済についてはうるさいですよ!
 (旧有閑爺いのブログ)

 
 「現代経済学」では「労働力が増えれば経済成長する」という主張をしており、この主張に従って外国人労働者の受け入れを現在の日本は活発に行っています。
 
 因みに、かつての法務省の外局としての入国管理局は、2019年4月から出入国在留管理庁という役所に格上げされており、現在のトップは佐々木聖子長官です。
 しかも主たる業務が「在留外国人の支援、共生社会の実現に向けた取り組み」でありますので、今後とも外国人の受け入れは拡大することはあっても縮小することは無いと考えるべきです。
 
 なお、2018年末の在留外国人数は273万1093人で前年より16万9245人、6.6%増加して過去最高となっていますが、今年はさらに増えると予想されます。
 
 我々は、この7月に行われた参院選においても安倍と自民党に多数を与えました。ということは上記に示した安倍と自民党の施策、ならびにその結果である外国人労働者の増加にも賛成しているのです。
 さらに言うと「現代経済学」の主張である「労働力が増えれば経済成長する」ということも信じていることになります。
 
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 もし、「現代経済学」の主張である「労働力が増えれば経済成長する」ということが正しいのなら、失業者を増やしても経済成長できます。普通の場合は、失業者はほぼ全員が労働力なので、「現代経済学」の主張する経済成長の条件に合致します。このことを言い変えるなら「失業率が上がれば経済成長する」です。
 つまり、外国人労働者などに頼る必要などさらさらなく、ひたすら失業者を増やす政策を行えばよいのです。「首切り自由」は企業も両手を挙げて賛成します。職を失う者も経済成長するならと納得するかもしれません。
 
 ここまで書くと、 「現代経済学」の「労働力が増えれば経済成長する」という主張は成り立たない話だと気付くはずです。それに気付くなら外国人受け入れも間違いであると分かるはずです。だとすると安倍と自民党は間違ったことを平気でやる腐れだと分かるはずです。
 
 しかし残念ですが、国民の多くはこのことに気付いてていません。この夏の参院選で安倍と自民党に多数を与えたのですから。
 
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 そもそも、「労働力が増えれば経済成長する」という主張は、労働生産性という指標の定義を経済学者が悪用して導き出したことであり、ペテンと言えるものである、と私は従来より申しております。
 つまり、「労働生産性」の定義は「投入労働力に対する生産高の割合」であり、数式で示すと【 労働生産性 = 生産高÷投入労働力 】なのですが、これを変形した数式【 生産高 = 労働生産性×投入労働力 】を導き出し、『労働力が増えれば生産高が増える』という主張にしたのです。
 
 しかし、現実の経済においては、「投入労働力」も「生産高」も経済を計測することでしか得られない計測値であり、「労働生産性」はその両者の計測値を用いて計算で求めるものである、というのが定義です。
 【 生産高 = 労働生産性×投入労働力 】という数式は、式そのものとしては成立しているのですが、生産高は計算で求めるものではありませんので、何かに適用すべき数式ではないのです。
 適用できないにもかかわらず、適用しようとしたわけですので、何らかの意図があったと考えても不思議ではありません。よい意図つまり善意で、出来ないにもかかわらず出来るということは無く、普通の場合は悪意を秘めています。
 つまり、悪用すなわちペテンです。「人・物・金の動きを自由にする」ことが目的にあり、それを支える理屈なら何でもOKという意図が見え見えなわけです。
 
 出入国在留管理庁という役所は、現代経済学を説く学者のペテンの結果出来たものである、と言うこともできます。しかもそれを国民の多数が認めているわけですので、台風の被害どころでない被害が出る可能性を秘めています。
 台風は自然災害ですが、このことは人災です。人災は完全に避けることが出来ますので、早く間違いに気付いて、是正することが必要だと切実に思います。