朝鮮に対する米国の決断 | 気力・体力・原子力 そして 政治経済

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 (旧有閑爺いのブログ)

 米国が真に北朝鮮を危険な存在だと思ったときにどうするかです。
 
 米国はソウルを廃墟にすることを決断するでしょう。ソウルは米国の都市ではありません。なので、この都市を死守するなどといった選択はない、すなわち一時的に放棄することは十分にありえます。
 
 朝鮮戦争では、ソウルは北朝鮮の侵入で瞬く間に陥落し、米韓両軍は釜山まで後退を余儀なくされました。これは戦略的後退などではなく敗走しただけなのですが、ソウルは守りにくい地であることは確かです。
 
 「危険」は排除するのが普通の行動です。米国が真に北朝鮮を危険な存在だと思えば、当然ながら排除するでしょう。
 その場合に北朝鮮の大きな抵抗が予想されますが、北朝鮮には縦深戦力はありませんので、戦うごとに戦力を消耗し、やがて敗北することは目に見えています。
 ですので、大きな抵抗をどう見積もるかが戦術上のポイントでしょう。私はそれをソウルの一時的放棄である、とみています。
 
 北朝鮮の排除とソウルの一時的放棄は、両国民に大きな犠牲が出ます。しかし米国にとっては「朝鮮人の命」など米国の「危険」と比べられないものであり、そのことを厭わないと思われます。米国はいまも、原爆を日本に投下してあまたの無辜(罪なき人)を殺傷したことは、米国民の命をセーブした正しい選択であった、と主張していますので「朝鮮人の命」など顧みることはないでしょう。
 
 米国が決断を行うときに、日本や韓国の意見をどう取り扱うかが問題ですが、米国にとって日韓の意見など、どうでもよい話ですので慇懃無礼に無視するでしょう。
 つまり、米国の危険と日韓の意見は秤にかからないことである、と覚悟しておく必要があります。
 しかし、決断に対して米国は、中露の動きを日韓の意見などとは比較にならないほどの比重で見極めると思います。現状では米国は中国の腹を読み切っているとは思えないし、ロシアに対しても見極めが出来ているか怪しいと思います。
 米国がこの両国をどう読み込んでいるかが見えぬ現状では、北朝鮮の排除はすぐに行われることはないと踏んでもよいと思います。
 
 米国の危険の認識と中露の動きから決断があった場合に、その決断がどう表れるかですが、韓国に駐在している米国軍人軍属の家族の本国への召還が行われれば、決断したと考えるべきです。
 決断しても、実行するかは米国の選択であり、実行は純粋に軍事的判断の任されると思います。その場合に決断の兆候は北朝鮮のにも明確に分かるでしょうが、たとえそうであっても北朝鮮が先に手を出すことはないと思われます。先に手を出せば完全に消滅させられるでしょうし、生存したいがゆえに跳ね返っているだけですので、本末転倒です。
 ただ、北朝鮮が自暴自棄に陥ることはありえますので、そこらあたりが軍事的判断の最大ポイントでしょう。
 
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 私は「高度経済成長の秘密」を連載していたのですが、安倍総理が朝鮮情勢を利用して「大儀なき解散」「モリカケ隠し解散」を打とうとしていますので、朝鮮情勢をどう解釈すべきかと言う意味で、割り込みでアップしました。
 朝鮮情勢はある種のエスカレートはあったにしても戦端を開くまでには、まだ時間はあります。それよりも「Jアラート」の無意味な警報発令や、対峙するだけの力もないのに口だけは達者に「制裁制裁」と叫び、そのことを疑惑解明の回避に利用して、解散を行おうとしていることは安倍総理一流の姑息な行動です。
 こうした姑息な行動は許すべきではありません。