『クラウド「超」仕事法』──Macユーザーから見ると「今更」の本 | 山下晴代の「そして現代思想」

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映画、本、世界の話題から、ヤマシタがチョイスして、現代思想的に考えてみます。
そしてときどき、詩を書きます(笑)。

『クラウド「超」仕事法』(野口悠紀雄著、講談社、2011年11月刊)

 野口氏がご自分の常に最先端の仕事方法を試され、それを納得のいく形で太っ腹に公開されていることには敬意を払っている。
また、氏の文章展開は説得力があるので、まだ試用段階にあるものでも、氏が本を出せば、必ず買うようにしている。
しかし、今回は、やや失望した。
 クラウドは、Macユーザーなら、Mobilemeの昔から、かなり使われていたし、私自身も、途中で書いた文章をiDiscに上げ、べつの場所で開いて、ということは、数年前からしていた。さらに、iCloudになってからは、それは、たとえば、「宛名職人」といった葉書作成ソフトの住所録さえ、iPadに自然に移行されている。Kindleのアカウントさえあれば、ipadで読める。私は、iPhoneは持っていない。アプリ、使用法など、ほとんどiPadと同じだが、気軽に持ち歩けるという利点がiPhoneには、あるが、いかんせん、数々あるすぐれたアプリを使いこなすには、画面が小さすぎる。
 Widowsパソコンを使っても、DropBoxだの、Evernoteで、Cloudは可能だが、Macユーザーのシームレスさには及ばない。
氏は、Macにはよいエディタがないと書かれているが、Lightway Textといった、すばらしいエディタが存在する。これは、iPad版、iPhone版もあり、Pagesなどより、はるかに使い心地がよい。
 野口氏が賞賛してやまないGMailであるが、フリーメールであるのが気になるところである。フリーであるからには、なんの保証もない。ある日ごっそり消えていても文句は言えまい。そういう意味では、やはり複数の場所に書類等を保存するのが安心だと思う。


クラウド「超」仕事法 スマートフォンを制する者が、未来を制する/野口 悠紀雄

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「お写真」は、iPadのカード作成アプリで制作した「お年賀」です。ことちもよろちく~。



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