川尻達也のUFCリリース (少し追記 | 久米川ロマンチスト

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他の感情を無視して、柴田勝頼を応援する

川尻達也が自ら、UFCとの契約解除を申し出て
それが無事に受理されたらしい。

あれだけ前向きに挑戦し、
負けても次への希望を捨てず、
他の日本人よりも上手くSNSを使ったマーケティングをして、
38歳という大ベテランはオクタゴンの内外で
UFCでの生き残りに多くの時間と労力を割いた。

「塩漬け」と呼ばれる戦法も自分の良さを理解して
勝つ為の最後の手段として有効的に使っていた。
勝っても負けても試合は詰将棋を思わせる追い詰めぶりが爽快だった。

「死人に口無し」という謎の美徳を捨て
なんともスマートに自分の考えを公開している。

ところで、格闘技ファンの民度は低い。
いや、低い人程目立つ、の間違い。
実際の平均所得だとか、生活水準とかは知らんが
ネットに居るファン共の考えや発言は、
プロレスファンよりもずっと低俗で、なにより閉鎖的である。
自分も含めて。

これでも昔に比べりゃ全体的に、
良くはなっていると思うけども。

今回の川尻達也の「辞職」についても、
「逃げ」とかなんとか言うやからが、
多くはないにしろ、居る。

MMAは事実上、UFCを頂点としたピラミッド構造を築いている。
金銭、規模、どこをとっても敵うはずがない。
なにより困るのは格闘技が、格闘技ファンが
「リアリスト」ぶれるという点で
勝敗による「完全なる回答」を前提に
敗者は叩かれて然り、
下々の団体は蔑まれて然り、
そこに日本特有の社畜根性や侘び寂びの美徳があいまって、
川尻達也のような勇気ある「選択」を
受け入れる器が無いんだと、そう思う。

まあ彼等がいったいどういう立場なのか知らないが、
殺されるまで追い詰められる仕事から逃げずに仕事する人なのかもなあ、
とか 思いました。


話が逸れました(わざと





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いつか書こうと思ってたんですが、
川尻達也の地上波向け解説
のお仕事。

これが素晴らしいんですよ。
自分、格闘技をテレビで観るときって
今画面で起きている凄く面白いことを、
興味の無い人間に、いかに伝えられるかを考えてしまうんですよね。

川尻達也には、それを明確に言葉で表す技術がある。
「ああっ、そうやって伝えるのか〜」
「なるほど、そこを取り上げるのか」
と、
本来的には「中の人」という立場もあって
言いたく無いことも多いと思うんですよ。

川尻達也こそリアリストですし、
エンタメ特化してるRIZINに
少なからず思うところだってある筈。

でもそれを感じさせない。
声も聞きやすい、言葉も入りやすい。

上でも述べましたが、マーケティングがうまいんですよね。

川尻選手が今後、どう現役を過ごすのか知りませんが
良い方向に向かうことを祈ります。

そして川尻達也が示した今回の「道」。
国内外に問わず、多くの選手に影響があるといい。

全体の底上げ、
何よりこの国が格闘技を忘れ去らない為に、
良い展開があることを期待します。

UFCだけじゃねえぞ、と。

プロレスやられたら、少し困るけど。
…やらねえか。