僕が本当に観たいもの 藤田和之への手紙エクストラ | 久米川ロマンチスト

久米川ロマンチスト

他の感情を無視して、柴田勝頼を応援する

2017.3.6
大田区総合体育館
旗揚げ記念大会



メインイベント
NEVER無差別級選手権試合




王者
柴田勝頼
vs
挑戦者
藤田和之


ついに時は来ました。
格闘技ブーム到来から突入した新日本プロレスの暗黒時代、
言うなればその立役者中心人物はこの男でした。
時代は変わり、満員御礼の連発を記録し続ける新日本プロレスに
よもや二度と流れると思わなかった、タブーとも言える旋律と共に
青コーナーから藤田和之が入場してきます!!

まずはセコンドのケンドー・カシン、続いてくるのは鈴木秀樹をはじめとする「はぐれIGF軍団」の面々です。
会場はブーイングの嵐、早くもヒートアップしております!!
頼りになる仲間に迎えられるようにしながら、藤田がゆっくりと…


ああっと?!

なんと藤田和之…




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腰にベルトを巻いている!!
金色に輝くあのベルトは、間違いない!!
初代IWGPであります!!

ブーイング一色だった会場が一瞬にして静けさを取り戻す!!

リングの神とされた燃える闘魂に寄贈されたと報じられておりましたが、
そのベルトは藤田が持っていたのか!!

そういえば戦前のインタビューにて藤田は言いました。

「このリング、大事な物が欠けてるな?
次に会うとき、見せてやるよ!!」

多くのファンやマスコミは藤田和之の持つ格闘スタイルの事だと予測しておりましたが、
まさかベルトの事だったのか?!


IWGPはオカダカズチカが巻いているのに、欠けている?!
これは冒涜だ!!


ファンも気付いたのか、先程よりも激しいブーイングが飛ぶ!!
それなのに何だ、この藤田の表情は!!





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笑っている?!
いや、「穏やか」という表現が合うか。
まるで長らく帰らなかった実家に戻り、
舌に馴染んだ味噌汁を目の前にしたかのような、
落ち着きながらも、すこし興奮して喜んでいるような、
居心地が良い、そんな感情が伝わる!!

これがあの野獣なのか?
闘いを求めて格闘技に転身し、
たまに戻ってはリングを掻き乱した、
あの藤田和之の本性なのか?!

思い起こせば2004年、
かつてのIWGPヘビー級選手権試合の時も
不気味な笑顔を見せていました!!

セルリアンブルーのマットに、
赤いマフラー、闘魂はよく映える!!
止まぬブーイングの中、今リングイン!!
藤田和之!!









いつもなら、
この曲の入りの、この時間は
嵐の前の静けさのような、
その静けさをあえて楽しむようにしていたファン達も
今日ばかりは後押しする声援で、既に高まりが最高潮だ!!

大・柴田コール!!




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いつものように、ベルトを手に持って入場!!

遡ることイッテンヨン、
ノ○の○腕、○崎へのリベンジをホームリングで終えた瞬間、
背後から忍び寄った本日の挑戦者、藤田和之に対し、
東京ドームを埋め尽くした超満員の中でただ一人、
落ち着いていていたのは柴田勝頼だけでした。

どよめく会場に驚嘆する放送席、
慌てふためくヤングライオンを自ら追い払った柴田は、

「この時を待ち望んでいた、いつでも殺ってやる気でいた。
だから驚くなんて出来やしなかった」

と、後に語っていました!!

とっくに用意はできてんだ!!
あとはやるだけ!!柴田リングイン!!


セコンドには、やはり!!



第三世代の面々だ!!
かつてこれほどまでに頼りになるバックアップがあったでしょうか。
アマレス戦士の繋がりでTEAM JAPANとして徒党を組んだ永田、中西も
今日ばかりは柴田のセコンドです。


ベルトが返還されます。
藤田のベルトは…カシンに渡されました。

これより本日のメインイベント
NEVER無差別級選手権
時間無制限一本勝負を行います

青コーナー
挑戦者
183センチ
105キロ

藤田ぁぁー和之ぃぃぃー!!

最強!!
藤田和之!!


赤コーナー
チャンピオン
183センチ
95キロ

柴田ぁぁー勝頼ぃぃぃー!!


今回は消化試合なんかじゃあない!!
強さの証明
柴田勝頼!!


東京ドームで藤田は言いました。
かつて本物の戦いをしたいと願い、
復刻させたベルトがあったが、
長持ちせずに無くなってしまった。
それがどうだ、気まぐれに見に来てみりゃ、
本物の戦い、あるじゃねえか。

藤田はかつてのNWFを、
NEVERに重ねている!!
そして、その答えが
初代IWGPを持ち出したのかもしれません!!

セルリアンブルーのマットを彩ったかつての名誉達が、
男同士の闘いを作り上げたNEVERに呼応する!!
これは歴史との抗争なのか、
単なる一戦に過ぎないのか、
問いに対する回答は、一つしか無い!



今、ゴング!!



予想に反して静かな立ち上がり、、、
いや微動だにしない!!

リングの中央で睨み合う両者、
時が止まっているかのようだ!!

例年であれば3.3、この旗揚げ記念大会は
春のG1、ニュージャパンカップの開幕や
階級を超えたプレミアムな試合を行う大会でしたが、
電撃決定されたこの一戦に賑やかしは不要
そういうことで用意された異例の時間無制限
ワンマッチ興行であります!!

この二人なら5分とかからず勝敗が決する可能性は十二分、
にもかかわらず超満員となった大田区総合体育館、
一体どんな結末を迎えるか!!


普段ならば会場を埋め尽くすのは
手作りうちわやボードで、推す選手を応援する
色とりどりのファン達ですが、
本日は緊急で会場限定再販された
柴田仕様のTakeorverシャツ一色!!
客席は真っ黒であります!!


沈黙に耐えきれないのは柴田!
前蹴りを冷蔵庫のような藤田のボディにかます!!

ああっ!!





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右フック
一閃!!


しかし柴田の両の脚は地についたままだ!!
目は生きているのか?!

格闘技のリングにおいて、数々の勝利をものにした、
かつて氷の皇帝を、唯一生死を彷徨わせた
これが藤田の右フック!!

これを受け切ることで、藤田の過去を飲み込もうというのか柴田!!
あまりにも代償が大きい!!
立っているのがやっとだ!!

これに対し藤田、首を軽く横に振ってから
パワースラム!!強烈!!





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サッカーボールキック!!
直撃!!

これには堪らず、柴田場外へエスケープ!!
なんとか意識はあるようだ!!

パンチ、投げからのサッカーボールキック!!
かつてのIWGP選手権試合を彷彿させる、
しかし今回は立場も仕掛けも逆だ!!

止まぬブーイングの中、場外カウントだけが刻一刻と進む!!


柴田、自力で立ち上がる!!
目は死んでいない!!
むしろ気迫が増している!!

口と鼻から夥しい流血があります。
フック一撃によるものでしょうか?

リング上の様子を伺いながら、
藤田を手で制して
ようやくリングへ復帰…

同時に藤田が襲いかかる!!

がぶってからの




膝!
膝!!
膝!!!



柴田の体がゴム人形のように跳ね上がる!!

もう両腕もガードすら出来ず、
垂れ下がるのみか!!



いや、これは…





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しなりを効かせた
燕返しだ!!

ここまで防戦一方だったチャンピオン、
渾身の一撃!!

しかし、




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効いてなーい!!

畳み掛けるように蹴りを放つも、
構わず歩を進める挑戦者に、
自然とコーナーを背負う柴田!!

この男には何も効かないのか?!
ここまで強いか、藤田和之!!

追い詰めたところをすかさず張り手!!
これも強烈、柴田は思わず藤田に体重を預けたっ。

流れるように抱えて…
これはブレーンバスターか?
滞空時間が長い…


違う!!これは






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ジャックハマーだ!!

危険だ!!藤田は試合を終わらせる気だ!!
永い溜めを経て、藤田が切り替え

ようとしたところを




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柴田、逃れて
スリーパー!!

九死に一生をえて、
千載一遇のチャンス!!

これには藤田も焦りの表情を浮かべる!!
力任せに暴れるが、みるみると頸動脈へ腕が食い込むばかりだ!!
柴田にはこれがある!!
大事な大事なスリーパーホールド!!

藤田は投げるようにして逃れようとするが、
柴田離さない!!
これは…スピニングスリーパーとでも言うべきか?
勝ちたい一心で生まれた新技だ!!

藤田、ロープブレイク!!
既に顔は土気色だが、立てるのか藤田!!
なんとか腕で身を起こす…







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柴田、
喉元へFK!!


これには挑戦者、嗚咽が止まらない!!
しかし手を休めない柴田、


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急角度のバックドロップ!!

逃さぬようにスリーパー!!


ぎっちりと、
がっちりと締め上げる!!

藤田、もう動かない!!


これには藤田側ばかりか、
第三世代まで藤田に声を送ります!!


先輩、同志という絆の太さを感じる!!
声は届いているのか?!






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完璧な
PK!!


カバーに入る!!
1
2


……


!!!



柴田が自ら藤田の身を起こした?!
しかし、どうみても藤田の意識はない!!

スリーパーの要領で持ち上げて…

何をするつもりだ?!







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出たぁぁぁぁー!!!

卍固めだ!!

柴田の口から雄叫び血反吐が溢れ出る!!

レフェリー止める!!
同時にセコンドもタオルを投げた!!


藤田完敗!!
野獣は3度死ぬ!!





9分42秒
PK→片エビ固め→ピンフォールキャンセル→
死して屍拾い式卍固め
(レフェリーストップ&タオル投入)



勝者
柴田勝頼
(7度目の防衛)





両者セコンドがリングに上がります。
柴田も含め、自然と藤田を囲うように
リング中央へ集まり…






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柴田の深い礼!!



藤田も起き上がったようです。
何やらカシンに打診しているようですが…







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藤田が自ら
柴田の腰に
初代IWGPベルトを巻いた!!


場内、スタンディングオベーション!!


柴田と藤田は握手をしながら、
何やら会話をしている!!


なにやらサッパリとした顔の藤田!!
顔半分が血だらけ、腹部は痣だらけの柴田!!

勝者と敗者、まるでアベコベのコントラストが
この試合、両者の全てを形容している!!


藤田陣営が立ち去り…
際にカシンが何かを柴田と第三世代に渡している?
何でしょうか?皆が首を傾げているぞ。


ここで柴田がマイクを要求!!



えー…

記録には残らないが、

結果を出しました。

今、この腰の重み

ここから喜び、

それ以上の苦しみ、

これらを背負っていこうと

思います。

これだけは
誰にも渡さねえから

以上!!




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バックヤードにて
柴田インタビュー


なんかある?あるよな?!

--見事な勝利でした、おめでとうございます

本当?本当にそう思ってる?
この手の戦いは毎回そうだったけど
どっちが勝って、どっちが負けたか分かんない

でもいつもと違うのは、
右腕の荷物に加えて、
腰の重み、これが確かに勝ったと自覚できる

--ピンフォールを止めたが

そんなことした?
藤田が相手だから、
本当はあんなことする余裕は無いんだけど
これじゃ駄目なんじゃないかって気はした。
無理矢理に起こして、
直接ギブアップとってやろうって、
俺の意識も朦朧としてたけど、
完全勝利してやらないと。
結局、ギブアップはさせられなかったけど。

本当にこれで終わるんなら終わればいい。
でも、俺はまだここに居るから。

--最後に言葉を交わした

どうせ解読するんでしょ?
勝手にやれって。

--カシン選手に渡されたものは

これ?
(訝しげな顔で広げる)
はぐれ…新日本軍団?

--Tシャツですね

はぐれてるつもりはないけど…
もうここに居るって言ってあるし
やってる。
はぐれてるとしたら、他の奴らだろ?

--かつてのタッグパートナーとはぐ…

(さえぎるようにして)
知らねえ、誰だよ!舐めてるの?
もうなんもないね?以上!!





藤田ノーコメント




カシン独白

もうTシャツ渡したし、
これで藤田じゃなくても、
大仁田の相手ができる。
柴田選手、新木場で待ってるから。








前回までの記事は、
少し大人し目にしたつもりなので、
最後に暴走して、
現実に戻ることにしました。

はじめて実況風の文を打ってみましたが、
これは勉強不足が露呈しますな…

ちなみに7度目の防衛の内訳は

2016.09.17 大田区総合体育館 ボビー
2016.10.10 両国国技館 カイル
2016.11.05 大阪府立体育会館 イービル
2016.12.16 後楽園ホール 本間
2017.01.04 東京ドーム 潮○
2017.01.05 後楽園ホール 中嶋
2017.03.06 大田区総合体育館 藤田

です。
NJCは中止。

現実に戻ります!!