2019年9月の東北あちこち湯巡り話、最終日編。
秋田の秋の宮温泉郷から。
秋の宮温泉でこの3つを楽しんだ後は、また宮城県へ(^^;
それもまた鳴子温泉郷へ向かう。
前日は鬼首温泉「旅館元湯」へ立寄ったが、今回はいわゆる鳴子温泉エリア。
以前より2度フラれて未が続いている宿に、今度こそ立寄りたい
さすがに事前に電話をして確認をとってから向かうことにしていた。
それは「村本旅館」。
いわゆる鳴子温泉旅館組合に加盟してないため、湯めぐりチケットにも載っておらず、知る人ぞ知る宿だ。
場所としては、上の写真の左に写りこんでいる、閉館してしまった福の湯の隣。
ちなみに初回はフラっと行ったら留守、その次は直前に電話したが誰も出ないという連続フラれだった。
鳴子温泉 村本旅館
今回は前日にアポをとっておいたのでスムーズに受付
ご主人が対応してくれた。
立寄り入浴料は500円。
ちなみに着いたのは8時20分頃。
実際の立寄り入浴可能時間は未確認。
運が良ければいきなりでも立寄れるかもしれないが、計画派は必ず事前に要確認で。
浴場は母屋ではなく、別の湯小屋となる。
まるでジモ浴場の佇まいがイイね
入口が2つに分かれているが、男女の差別がない。
でもどちらからでも中に入るとしっかり男湯、女湯と入口が分かれているのでご心配なく。
終始我々だけで貸切使用であった。
それでは浴場内へ。
思わず「おぉ~」と声が出る、クリーム色析出物のコッテコテ状態
通常こういう湯だと濁っているイメージだが、湯は透明だ。
朝早めだったこともあり、湯は極めて新鮮。
温度をまた測り忘れたが、やや熱め適温だった。
コンパクトな浴場内にはシャワー付カランが2セット。
カランからは源泉は出なかった。
出していたらあっという間にスケールで詰まってしまうだろう。
無色透明な湯は源泉名「町有末沢源泉」。
源泉温度59.7度、pH6.9のナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉。
蒸発残留物は1.521g/kg、溶存物質総量(ガス性のものを除く)が2.0082g/kg。
この湯を加水することなく、完全かけ流しにて使用している。
美しい千枚田状態の析出物は元の浴槽の素材を完全に覆いつくしている。
カルシウムは184.4mg、炭酸水素イオンは852.9mg、遊離二酸化炭素は233.0mg。
どれもそれほど顕著な値ではないが、どれぐらいの時間でここまでになったのだろう。
浴槽はこの状態でよくとも、源泉のパイプや排湯孔などの手入れが大変なことは容易に予想がつく。
そして湯が透明なためによく見えるが、浴槽内もかなりの析出物。
床はやはり千枚田だし、浴槽の壁も凸凹。
凸凹ならまだいいが、尖った突起もあったりするのでもたれる際は要注意
浴槽から床を見た図。
縁の内側がスゴイことになってるのがお分かりいただけよう。
それにしても一見あっさりにも見えるこの源泉、総計も多くないのにこの析出力
やはり源泉のデパート鳴子には想像を超える湯が出ている
源泉は蛇口のあるパイプから出ていた。
浴槽内投入ではないが、よく見たらそこそこの量が投入されているのがわかる。
淡い石膏臭と淡い薬臭がある。
僅かな塩味と僅かな石膏系の甘味、僅かな薬っぽいエグ味がした。
このときは使われてなかった手前の古い湯口。
おどろおどろしい未確認生物みたいな状況に思わず栓をしたのか
過去の写真を調べるともちろんここから投入していたり、ここに箱を被せて浴槽内投入していたこともあった。
見た的にはこの旧湯口から投入して欲しいが、なぜパイプにしたのか本当のところは不明。
加水用の蛇口もあったが、もちろん加水はせず。
炭酸水素塩泉らしいスベスベ感が主だが、少しひっかかりもあったか。
茶系の湯の花も少し舞っていた。
温泉マニアならずとも惹きつけられるであろうこの浴槽。
もちろん宿なので宿泊もできるはず。
未の方はアポをとってでも、是非
鳴子温泉 村本旅館
宮城県大崎市鳴子温泉末沢西17-3
0229-83-4055
立寄り入浴料 500円
※時間は要確認
<源泉名:町有末沢源泉>
ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉 (低張性・中性・高温泉)
59.7度
pH6.9
蒸発残留物 1.521g/kg
溶存物質総量(ガス性のものを除く) 2.0082g/kg
無色透明
淡石膏臭、淡薬臭あり
微塩味、微石膏味、微薬っぽいエグ味あり
クリーム色の析出多数
スベスベ感と少しひっかかり感あり
茶系の湯の花少しあり
完全かけ流し
2019年9月入湯
※数値はH20の分析書より