二庄内温泉までたどり着けば、もう1つ入っておきたい湯があった。
昭和48年の二庄内ダム建設にあたってダムに沈むことになった要目集落を移設させ、その代償に共同浴場を設置。
要目集落はすでに無くなってしまったが、その浴場はまだ残っているという。
湯マニアの中では二庄内温泉と共に語られることの多い、要目温泉「希有の湯」がその目的地。
現状で温泉名や浴場名を掲げたものはないが、ここは当時の通称の温泉部分だけの名称、要目温泉としてアップする。
まずはその二庄内ダムの管理事務所あたりへ。
ここから大体の方向を確認する。
こちらのダム、ダムマニアにはこちらはどんな評価なのだろうか。
写真には写ってないが、そこそこ立派な建物=管理事務所があった。
ダム自体は昭和63年に完成。
目的地はここからその集落跡方面に向かう。
ダートだが途中までは車で行けそうだ。
目印になるのがダムの放流施設の建物。
ダム湖を臨む石銘板の写真の右端に小さく見えるのがそれ。
この辺りで車をとめ、後は徒歩で向かうことにした。
さらに険しいダートを少し上る。
すると風雪に耐え抜いたコンクリの建物が見えて来た。
ほぼ廃墟のように見えるが、これが要目温泉。
要目温泉
建物はご覧の通りだが、撤去されずに残っているのは湯が湧出続けていることと、定期的に管理されてる人が居るということである。
場所自体は一般人が立ち入ってもよいエリアだし、24時間開放されており入浴料が必要なわけではないが、営利目的でないためにあくまでお湯をいただく感謝の精神が何より必要だ。
ドアが2つあるということは男女別に分かれているということなのだが、男女を示す表記などはもちろんもう無い。
左側のドアが開いたので中へ入らせていただく。
ちなみに浴場内は電灯など無いため、手持ちの灯りを持参したとしても日が暮れている状況での入浴はかなり困難だと思われる。
中にもまた2つの浴場に入るためのドアがあった。
しっかりとした温度のある湯が湛えられている温泉臭が漂っている。
頻繁に使われているわけではないが、あちこちに掃除道具が見える。
また桶やシャンプーなども片隅に片づけられており、何人か定期的な入浴者が居ることを示している。
ぼくは浴槽の近くにあった桶だけ1つ拝借した。
その浴槽の状況はどうか。
湯は無色透明で底もまずは見える。
そう言うわけで、状態はそれほど悪くない。
浴槽内の掃除までは行き届いてないものの、魑魅魍魎が浮いたり沈んだりしているようではなさそうだ…あまり細かくはチェックしてないが![]()
入浴前に温度はチェックしておこう。
45.9度。
熱いが入れない温度ではない。
加水する方法もなく、湯は下から常に注がれており、透明な状態な湯をあまり攪拌して底に沈む何かを立ち上らせるのも嫌なので、このまま入るとしよう。
その前に、せっかくなのでもう一方の方の浴槽もチェック。
もう一方の方が浴場自体、荒れ方がやや強い。
湯の中もよく見えない。
こちらの底には色々溜まってそうだ(^-^;
2つの浴槽は壁の下で繋がっているので湯自体の状態はそれほど違わないはず。
温度をチェック。
45.6度とやや低いが熱いには変わらない。
源泉投入が先の浴場側なので、このぐらいの温度差ならより新鮮で状態のよい先の浴場にやはり入浴しよう。
元の浴場へ。
ちなみに脱衣所スペースはあるが棚などは無い。
湯は手前の底から伸びているパイプから絶え間なく投入されている。
足元湧出ではないのだが、湯自体は極めて新鮮。
もちろん完全かけ流し。
当然分析表などは無いが、後日古い記録を探すとph7.6、成分総計0.738g/kgの単純温泉となっていた…まあ参考程度に。
ほぼ無味無臭で実感的にも単純温泉と思われる。
桶に湯を入れて注意深く観察すると、淡い焦げ臭とやや石膏のような甘い香りがした。
スベスベ感もあり、熱いが入り飽きのしないステキな湯だ![]()
到達はそれなりに大変だし、状況的に到底万人には薦められないが、お湯をいただく感謝の気持ちを持つ湯マニアなら一度訪れておきたいところである。
大きな災害が無い限りはこのままゆるやかに朽ちつつも浴場は残るであろう。
末永く保たれることを心から祈る。
要目温泉
青森県黒石市二庄内字要目
無料
入浴時間に制限なし
単純温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)
45.9度(浴槽内で実測)
pH7.6※
成分総計 0.738g/kg※
無色透明
淡焦げ臭、石膏系の甘い香りもややあり
ほぼ無味
スベスベ感あり
完全かけ流し
2018年5月入湯
※数値はS41年の分析とのことだが現場では未確認



















