
老朽化の改修費用の工面と後継者の関係で、惜しまれつつ廃業するとのこと。
日景温泉のある矢立峠あたりの湯はかなり悲惨な状況である。

湯の沢温泉にあった三軒の宿はすべて廃業
…後日触れます。
休業となっていた矢立温泉「赤湯」もどうやら復帰は無理みたい…後日触れます。
そして東北の草津と言われ100年以上の歴史があった日景温泉も、また
多くの人が通ってこその温泉文化、自分ができることはそんな湯に通ってその良さを丁寧に伝える続けることか。
では日景温泉、惜別の思いを込め、ちょっと丁寧にレポートを。

豊かな緑と宿の赤い屋根のコントラストが美しい。
橋を渡り、まずは到着ショットを。
日景温泉 「日栄館 <湯治部>」

<湯治部>と題したが、この写真の建物は本館。
全体像はこんな感じ。

外観は確かに重ねた年代が薫るが、老朽化しているって感じはない。
建物の脇にあった旧式のポストもペンキは若々しかった。

さて、最初に向かうことにしていたのが、向かって右側にある「湯治部」。

「日栄館」と呼ばれているらしい。
本館のロビーを通って向かう。

ロビーはモダンな造りで広々としている。
左側の売店は品揃えがかなり寂しかった。
湯治部の廊下は青い。

浴場紹介の前に、湯治部の様子を簡単に。
湯治部だから自炊コーナーが当然ある。
未確認だが他にもあったのかもしれない。
では湯治部の浴場へ。

脱衣場のこのスッキリ感。
老朽化とか言いながら、木材は新しいのだ。
リニューアルしてからそんなに経ってないだろう。
そこから覗く魅惑の浴槽をチラ見しただけで思わず溜息が漏れた

こちらも古くない。
実に心地よくリニューアルされている。
そのことによって良さは何一つ失われていない。
シンプルにして完璧な浴場だ。
角度を変えてもう一枚。

光線によってはやや青味を帯びたように見える白濁の湯がちょうどよいサイズの浴槽に適量注がれ、そのまま適量のオーバーフロー。

黒っぽさを中心に優しい沈着を見せている。
注がれる湯は源泉温度41.3度の「日景の湯」。
ちなみに「日景」は創業者の苗字とのこと。

pH6.4の含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(硫化水素型)を、こちらの浴槽では完全かけ流しで使用している。
湯治部の浴槽の方が源泉の湧出場所に近いらしい。
ちなみに次に紹介する予定の本館の浴場では熱交換によって加温されている。
コクのある焦げ硫黄臭が何とも芳しい
苦味の強い淡い塩味がする。
この苦味はなかなか多いカルシウム(463.5mg)やマグネシウム(138.5mg)からくると思われる。
そう、見た目よりも成分は濃く、総計8.78g/kgの等張性なのだ。
それゆえ湯治した場合の効き方もしっかりしていたのだろう。
東北の草津と言うよりかは、富山の金太郎温泉を思い出した。
不思議なのは中性なのに何かの酸味を感じたこと。
勉強不足なのだが、何の成分由来なのだろう…23.1mgのバリウムか、2.2mgのリチウムか。

肌当たりはとても優しく、そしてしっかりとしたスベスベ感が大変心地よい
メタケイ酸も172.3mgあり、浴後のスベスベもかなりのもの。
温度は40度ぐらいだろうか、ちょっとぬる目だがそれが実に気持ちよい温度だ。
浴場を観察すると、蛇口が一つだけあった。
あまりに心地よく、もう1枚入浴ショットを(^^ゞ

ああ、このままここで湯治をしたい
同行のタカちゃんともご満悦の2ショット。
男湯とシンメトリーな配置。
次は本館にある大浴場と露天風呂を簡単に紹介予定。
最後に名残惜しく、男湯全景で締め。
日景温泉 「日栄館 <湯治部>」
秋田県大館市長走
2014年8月末で廃業
<源泉:日景の湯>
含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(等張性・中性・温泉)
41.3度
pH6.4
成分総計 8.78g/kg
170リットル/分(動力揚湯)
源泉で無色透明
浴槽で仄かに青みがかった白色濁り
コクのある焦げ硫黄臭あり
強苦味、淡塩味あり
やや酸味のニュアンスあり
しっかりしたスベスベ感あり
完全かけ流し
2014年8月入湯
※数値はH19年の分析書より







