丹上山田の里温泉 に行った翌日8/5には、やはり神戸市北区の温泉に向かった。
関西を代表する古湯、有馬温泉。
過去に何度か訪れているが、今回は天神泉源をそのまま楽しめる「上大坊 」へ。
有馬温泉「上大坊」
この「上大坊」、数多い有馬温泉の湯の中でもとりわけ温泉道を行く人たちの中で評価が高い。
それはなぜか。
97~8度ある天神泉源を加水なしのかけ流しで入ることができるのだ。
循環や、かけ流しでも加水が当たり前の有馬温泉の中で、現存する最も濃い状態で名湯「金泉」を味わえるのが「上大坊」なのである。
ちなみに若女将と思われる人に確認したから間違いなかろう。
フロントで入浴料1000円を支払い、奥の浴場まで案内してもらう。
運良く貸切状態だ。
脱衣場から浴場に向かう扉を開けると、金気臭や粘土臭がプーンと鼻をつく。
そこから階段を下りて浴場に向かう。
「名湯は階下にある」原則か
向かって左は金泉だが、右は銀泉ではなく白湯である。
白湯はたぶん38度ぐらいのぬるめになっていた。
さて左の金泉浴槽が、温泉マニア垂涎の天神泉源かけ流し浴槽だ。
100度近い源泉、しかも源泉井から近いのに加水をしないでどのようにして入浴に適した温度まで下げているか。
湯口にアナログ的な工夫があった。
上の湯口から直接浴槽に湯は投じられず、樋を通って多くは浴槽の外に出てしまっている。
ところがよく見ると樋の途中にいくつか穴が開いており、通常は棒でふさいであるのだが、中にはその棒が外されており、そこから浴槽に細い流れとして湯が投じられている。
樋を上から見るとこんな感じ。
実にゆっくりと源泉を注ぎ込み、空気と馴染ませながら入浴に適した温度まで下げているのだ。
この樋を流れる時点で源泉は透明であることがわかる。
しかし浴槽内の湯は実に特濃!
含鉄-ナトリウム-塩化物強塩温泉は成分総計が45g/kgほど。
以前の泉質表では60g/kgを越えていたとのことだから、成分は残念ながら薄まってしまったようだが、それでも十二分に濃い!
金色というより黄茶緑色、いや泥色
ご覧のように透明度は2cmも無いだろう。
強烈な塩味があり、身体が浮きそうだ。
また鉄イオンが79mgあり、これはかなり高い数値だ。
浴室を覆う金気臭も芳しい。
この濃い濃~い湯をじっくり楽しむには、隣の白湯が実は重要。
のぼせそうになるとぬるい白湯に入りリセット、そしてまた金泉へ。
ああ、何とも楽しい交互入浴!
うぅむ、湯といい雰囲気といい、実に素晴らしい!
久々の「俺湯」に決定~!
今度は俺湯仲間と一緒に泊まりで訪れたい。
素泊まりもできるし。
有馬温泉「上大坊」
神戸市北区有馬町1175
078-904-0531
入浴料 1000円
天神泉源を使用(掘削自噴)
含鉄-ナトリウム-塩化物強塩温泉(高張性・中性・高温泉)
97度
pH6.5
成分総計45.02g/kg
80リットル/分
源泉は透明だが浴槽で黄緑茶色(泥色)
透明度1~2cm
金気臭、粘土臭あり
強塩味
加水なし・完全かけ流し