甲子夜話に2回も
甲子夜話に長可の具足と兜の話が2回も載っていて訂正まで入っているのがリアル
〈一巻の内容 47話〉
世に鬼武蔵と称したるにて、長久手において戦死す。其時着したる具足、今に家伝す。黒糸威の鎧なるが、小兵と覚えて胴小くして、其には合はずと。此右兵衛佐もさほど大兵にはなければ、彼鬼武蔵と伝ひしは、世の沙汰には似ず小兵と見えたり。
その後の文に、兜は永井家にあると記述されている
〈第三巻か第四巻か忘れた 3話〉
第一巻でも語ったけどと前置きがある
略
革具足にして黒糸にて威したる殊にそ(難し過ぎる字)草なる(粗末という意味)者にて、中々大将の物とは見へず。
且つ小さき具足にて、我れ着てみるに胸さきはすきて腹ばかりにある体なり。
(兜は) 今、井伊家に伝ふと云き。
前記と違へるまま又識るす。⬅前は永井家と書いたけど伝えるままに井伊家と記すと言っているのがリアル
容赦ない子孫と著者(松浦静山)
これ書いた松浦さんは、森家の子孫と仲良しらしく、長可アニキの具足の話題でオッサン同士盛り上がっている
でも、偉大なご先祖様を盛るどころか容赦なく盛り下げる子孫←森家の者はともかく正直ww
「鬼武蔵とか言われてたのに、チビだったんだなー 胴が小さくて入らないよー しかも、胸周りは空いてるのに腹ばかり出てる体なのか」
酷い! 酷すぎる!
森家の子孫だけあって容赦なく正直過ぎるのか
伝えなくても良い事を伝えてしまう傾向がある.。アニキは美形でなくても良いから、せめて厳ついゴツメン希望だったのに.......
この具足は小牧長久手で討ち死にの時に着用していたというもの きっと本人のではなく、誰かのと間違えちゃったんだろうと希望を持っていたのに 因みに他にも長可の鎧と伝わるものがあるけど、それも大柄とは言えないサイズ
後、中々大将の物とは見へずに粗末とあるけど、実際には粗末では決してなくて、戦国時代に相応しく実用的だけど雑兵の物とは絶対思えない豪華さは然り気無くある模様
木々寸物語にまで
岡山藩(池田家 長可の義父は池田恒興)
藩士 斎藤忠時の著作と伝わる
ネットで全文活字読み出来る
活字版49ページに、
惣して長可は長短く小兵なれとも、勇にして大志あり。
背が低く、小柄(体の幅もないという意味かと)
人質を斬殺した後の記述ですから勇にして大志ありと言われましても......
確かに小柄でも容赦の無さはハンパないが
そういえば長可が容貌魁偉というデマの発信者は作家の八切止夫なんですね。
容貌魁偉と載ってるとでっち上げてる史料はそもそも存在しませんよ
鎧(赤穂大石神社にある)という物的証拠と、森家に縁ある家臣が書いた史料で男性にとってはマイナスな小兵となっいる事から信憑性高いと思う。
因みに弟の森忠政の身長は恐らく160cm前後で、兄の森長可は150cm前後でしょう。父の可成の具足と伝わるものもあって 父も160cm前後
三人の甲冑は赤穂大石神社に現存してますので銅高から推測。
(他の武将と比較してみて、159.4cmと骨から判明している伊達政宗と比較) 伊達政宗の具足の胴高は38cm
長可 胴高 31.8
忠政 胴高 39.8
可成 胴高 39.5
当時の平均身長が凡そ158cm
長可は明らかに小柄で可成と忠政は中背といったところ。
現代男性の平均身長が170cmくらいとすると、戦国では10cmほど小さい。
長可は現代なら160cm行くか行かないかなので、一番豪傑イメージの長可の体格が兄弟の中でも一番小さそうです。
実体がどうであれ、ドラマではガタイの良い俳優さんにやって頂きたい
弟よりも知名度まだまだ低いからアニキは実体より見た目を盛られても誰からも文句言われなさそうな気がする
なぜ長可は異常にワイルドなのか?
ここまで野生化してしまったのは苛酷な戦国時代にわずか数え年13歳でほおりだされたからなんだろうか
父も兄も討ち死に、下の弟蘭丸6歳以下役に立たず
江戸時代のように幼児が家督を継いでも、若様ともりたててくれる時代とは違う
蘭丸を討ち取った安田作兵衛は長可死後、忠政15歳が家督を継ぐと「子供に頭なんか下げたくないぜー」と出て行ってしまう
現代みたいに子供は守られるどころか、特に男子は足手まといで舐められるか殺されるだけ
信長が長可に金山城相続を許したのは良心的だけど13歳で背負うには苛酷過ぎたのか
家臣も平気で裏切る時代、13歳の城主となれば内外から狙われてもしょうがない
力だけが全て 単純に強く、強く自分を見せる必要があったのかも
弱肉強食の世界は力がない者は容赦なく食われる
唯一、美しい少年だけが性の対象として守ってもらえるが、ある意味食われてるって事だし
兄弟の真逆な生き様
問答無用、不言実行の強さで突進していく長可
悪さはしても悪びれず謝り、いつでも死ぬ覚悟だから潔いっちゃー潔い
信長自身も人から悪く言われながらも力で周りを黙らせてきただけにアニキは憎む事が出来ないタイプなのかもしれない
良い子ぶるとか媚びへつらうとか余計な事にエネルギーを使ってない事だけは確かだ
兄は鬼と恐れられ、良い子の弟は美しさで戦国時代を生き抜く⬅どっちも早死にするけど
弟が良い子でいられたのは、守られていたから?
愛と妄想と史実を混ぜ込んだ、大人の官能小説
森蘭丸伝 花落つる流れの末をせきとめて
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つづく