松井録を読んでいただき、誠にありがとうござりま
する。
水無月一日から八代にある「松浜軒」のくらうどふぁんでぃんぐが始まり申した。
かつては我ら松井家が八代城主として、八代を治め「松浜軒」は拙者から数えて三代後の松井家第四代当主である、松井直之が作った御茶屋にござる。
今では松井家が伝え、守り継いできた松井文庫が所蔵する品々や、宮本武蔵殿と縁のある品々を保管、展示を行う場所となっておる。
また、定期的にここで茶会が開かれておったり、八代妙見祭の時期になると「松浜軒」の敷地内で獅子舞や花奴の披露が行われる。
「松浜軒」の敷地内で獅子舞や花奴の披露が行われるのは、拙者を含め歴代八代城主である、松井家当主に披露していた、習わしが今でも残っておるのでござる。
しかしながら、この松浜軒の東側の長塀の劣化が進み、歩道側に塀の一部がせり出し倒壊の恐れがあるのでござる。
その長塀を修復の為に、くらうどふぁんでぃんぐが行われておるのでござる。
拙者も微力ながら、お力添えさせていただこうと思う。
以上
松井興長
〜松井録「永年ノ憶」〜
此の表題は400年前、拙者が生きた日々の追憶、当世に蘇って流れかていく日々や記憶を綴るもの……