卯月二十六日
此度も清正一代記を書する。
早朝より城を発ち"一般社団法人熊本青年会議所創立60周年記念式典パーティ"に出陣っ!
会場の雰囲気、参加せし方々の様子を見て長きに渡る歴史を感じた。
我等は歴史の上に立っておる、先人達が紡いできた良き伝統や習わしを、後世に受け継いで行きたいと強く感じた。
感謝の念を持ってな!
して、午後から城へ登城し、おもてなしをしておったらば"清正さんの財宝を探しているんですけど、どこにあるか知りませんか?"と聞いて来る客人がおった。
故に"…………儂が清正じゃ、本人に財宝のありかを聞くか?普通"と答えた。
其の時の客人の顔がえらく印象的であった。
以前にも儂の財宝を狙う者達が居たが、こう言った試みで過ごす事も一興であるな。
儂の財宝か?知りたいか?
恐らく見つけられるわけが無いと思うぞ。
然れど、儂の武録を見ている皆々にだけ教えてやろう。
此処だけの話じゃぞ………儂の財宝は………出会ってくれた皆々の存在じゃ。
しっ!秘密じゃからな!
云うたろう、見つけられまいと。
披見、大儀であった。
履
道
応
乾
◎加藤肥後守清正