言葉尻 ー国民皆歯科健診は集客目的なのか?ー(日本歯科医師会第203回定時代議員会報告) | クマゲロのブログ(熊谷宏)

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田舎の歯科医師が個人の立場で徒然に呟いています。

代議員会の個人質問で、福岡県の代議員から、「歯科口腔保健の推進に関する法律(口腔保健法)の改正について」と題する質問がありました。

昨年春の国会提出されたものが、未だに成立をみていません。
そこで今回の質問は、その後の進捗状況及び日歯としての動きについて資するものでした。

当然の質問です。

そもそも私は、国民皆歯科健診の実現のために口腔保健法を改正する必要はないと考えています。

これらについては、これまでもブログ等で何度か指摘しています。
https://ameblo.jp/kumagero/entry-12800273642.html

私はこの質問に対して、この機会に追加の要望として2点申し上げました。

ここでは、そのうちの1点について記してみます。

それは、髙橋会長がさまざまなところで、
「皆歯科健診が集客目的である」
ことをあらわにされることを、具体的例をあげて問題視しました。

例えば、北海道でのデンタルミーティングでは、
「皆歯科健診は、皆の診療所に患者を集め、歯科医療費の自然増を目指すためのものだと思っている。」
と発言され、日本歯科新聞で報道されました。

また、川崎市で行われた13大市歯科医師会役員連絡協議会における講演では、
「皆歯科健診は患者さんを会員の診療室にこさせるんです。来れば潰れることはないんです。今のままの点数でも患者が押しかければ潰れないんです。」
とおっしゃいました。

これは、皆歯科健診が集客目的であることをあらわにしているといえます。

私は当日の発言において、
「これでは、週刊新潮が、皆歯科健診をして「歯科医が恩恵をこうむる政策」と書かれても致し方ないと言わざるを得ません。」
と付け加えました。

これを聞いた髙橋会長、激怒されました。
立ち上がられて、私に対して、
「まあ、言葉の端々を取り上げられてですね、誤解を頂いている感じがしますけれども、大元は国民のためですから。そして、会員の先生方のところに患者さんが来て早期発見早期治療する。国民のためじゃないですか!」
と仁王立ちになられました。

私には理解できません。

公益社団法人の会長が、
「皆歯科健診は患者さんを会員の診療室にこさせるんです。来れば潰れることはないんです。今のままの点数でも患者が押しかければ潰れないんです。」
なんていう発言をした時点でアウトです。

マスコミが、
皆歯科健診をして「歯科医が恩恵をこうむる政策」 と書いて、文句言えますか?

会長が、「皆歯科健診で患者がくれば潰れないんです」って公言しているのですよ?

これを指摘した私は、言葉尻を捉えたものに過ぎないのですか?


実際、ある行政に勤務する歯科医師の先生から、歯科新聞の記事(札幌のデンタルミーティング)が送られてきて、「どうなっているのですか!日歯の会長は!」と怒りのメッセージもいただきました。

残念ながら、公益社団法人の会長としての資質を疑わざるをえません。