FC町田ゼルビアの戦術は、多くのチーム相手に効果的な戦術 | ロメロの言いたい放題

ロメロの言いたい放題

ブログの説明を入力します。

ガラっと変わったJリーグ勢力図を分析

共通点は縦に速く、しか強度の高いサッカー

 J1は第15節を終えて、FC町田ゼルビアが首位に立っているが、その躍進の「カギ」は、なんだろうか?

町田の躍進の要因は、現実に特化した戦いに徹しているところだと思う。サッカーでは「内容」を求める向きもあるが、町田は「勝利」を最優先に考えてる。顕著戦術は、ロングボール・ロングスローです。

 サッカーには陣取り合戦の側面があるが、相手陣でプレーできれば、得点の可能性は高まり、失点のリスクは減る。相手陣でプレーするための戦い方といえば、パスをつないでいくポゼッションサッカーが代表的だが、これは選手の高いクオリティと連係が求められます。

 

その点、町田の場合はシンプルだ。何故ならボールを奪えば前線にボールを供給し、セカンドボールを拾いながら相手陣に入っていく最短な攻撃戦術を追及しています。サイドラインを割ってマイボールになれば「ロングスローでゴール」に迫り、相手のDFラインを押し下げていく。

 J1のチームの多くは、ハイプレス・ハイラインのサッカーをするため、町田のこの戦術はとても効果的です。町田の戦い方によって、相手の前線からDFラインまでは間延びし、どの試合でも町田ペースで試合が運べているのが「勝利」に繋がっているのだろう。

 

⚫︎縦に速いシンプルなサッカー神戸と鹿島

その町田と首位争いをしている昨シーズンの覇者ヴィッセル神戸も、自分たちのストロングポイントを生かして、相手ゴール前へとシンプルに迫るサッカーで勝ち点を伸ばている。1トップの大迫勇也にボールを預け、彼の個の力でタメができる間に味方が攻め上がる。大迫がいることで、武藤嘉紀、佐々木大樹や汰木康也などのアタッカーが躍動している。

 この神戸の戦い方は、本質的な部分では町田のサッカーと同じと言えるだろう。ボールを奪ったら、チームが持つ高い個人能力を最大限に活用して、素早く相手陣に攻め上がるからだ。

 神戸には、優勝経験のある選手たちが数多く揃う強みがあるそ一方で、不安要素はリーグの優勝争いが佳境を迎える9月から予定されている「ACLエリート2024-25」が始まることだ。上位クラブの宿命とはいえ試合数が増えれば、おのずとリーグ戦に影響が出る可能性は高まる。それだけに、神戸としては9月までにライバルに対して多くの勝ち点差をつけておけるかが、2連覇へのポイントになるだろう。

 3位につける鹿島アントラーズも、新監督ランコ・ポポヴィッチのもとで縦に速く強度の高いサッカーで勝ち点を積み上げている。サイドバックがアグレッシブにボールを奪いに行き、中央の守備も堅くて強い。ただし、このサッカーをシーズン終盤まで維持できるかは、未知数の部分がある。

 

現時点でポポヴィッチ監督は、町田の黒田監督と同様に現実主義的な戦い方を志向している。しかし、ポポヴィッチ監督がこれまで率いてきたJリーグでの指導経験を振り返れば、監督の理想とするサッカーが別にあるように感じる。それだけに、最後の最後まで「勝利」だけを追い求めることができるのか。それとも「内容」にもこだわりを見せるのか。そこがリーグ優勝への分岐点になる気がする。

 中盤戦から後半戦に向けて注目しているのが、FC東京だ。序盤戦は、パリ五輪出場を決めたU-23日本代表で躍動した松木玖生と荒木遼太郎がチームを支えたが、彼らが五輪予選で不在の間に戦力が整い、戦い方のバリエーションが豊富になった。松木、荒木とも5月中旬からFC東京に戻ってきたが、それ以前までスタメンを張っていた選手たちもパフォーマンスがよかった。それだけに、コンディションと調子のいい選手を優先して使いながら、チームの勢いを保っていくのではないかと見ている。