何故JFA技術委員会は、メキシコ代表を手本にしようとしたのか?
2010年代日本サッカー協会は、メキシコサッカーをお手本にしようと考えました。その後、日本代表監督として「ハビエル・アギーレ(Javier Aguirre Onaindía)氏を招聘しますが、何故メキシコサッカーをお手本にしようとしたのか考えてみましょう。
メキシコは、クラブチームから一貫してショートパスを繋ぐサッカーを行っています。2010年代12月に行われていたクラブ・ワールドカップでは、メキシコのクラブは2006年大会から2013年大会まで8大会連続出場しています。どのチームも足元が起用で、少ないタッチでパスを回し、リズムのよいサッカーをするのです。技術が高い反面、フィジカルに弱いので、南米や欧州のクラブに負けてしまいます。
南米のクラブは、試合巧者なので、パスサッカーの相手に対して、ロングボールやカウンターで対抗できます。リードした後は、守りを固め、リスクマネージメントな戦いをします。
欧州のクラブは、元々スター選手揃いなので、技術面ではメキシコのクラブを確実に上回ります。メキシコのパスサッカーは通用しません。
さて、日本代表がメキシコのように強くなるには、守りを固めて、カウンターをする力を身につけるべきだと思います。2014 W杯ブラジル大会のメキシコ代表は、ベスト16でオランダに負けましたが、第3戦のクロアチア戦では、素早いカウンター攻撃を仕掛けていましたよ。もちろん、メキシコのパスサッカーは見習うべきです。
さて、メキシコのように強くなれるのか?残念ながら地理的な影響やJリーグの財政力の面で、難しいかもしれません。
メキシコサッカー連盟は、COMMEBOL(南米サッカー連盟)と強く繋がっていて、4年に1度開かれるコパ・アメリカ(南米選手権)にも出場できます。
クラブチームでは、自国の連盟が加盟するCONCACAF(北中米・カリブ海地区連盟)チャンピオンズリーグの出場権を獲得できなかったチームには、コパ・リベルタドレス杯(欧州チャンピオンズリーグの南米版)に出場する権利が与えられています。毎年CONCACAFチャンピオンズリーグにリーグ戦の上位4チームが出場し、次点3チームは、コパ・リベルタドーレス杯を戦います。
また、国内のメキシコリーグに所属するクラブは、資金力があり、南米の有望選手を獲得することができます。国内の代表クラスの選手も、自国のリーグで戦っていたりします。ワールドカップのメキシコ代表で15人が国内組みでした。
代表クラスでライバルとなるアメリカは、クラブレベルだと、メキシコリーグのクラブに実力面で及びません。従って、CONCACAFチャンピオンズリーグは、メキシコクラブが、他の国のクラブを圧倒し、毎年6大陸のクラブ王者が集うクラブ・ワールドカップに出場できるのです。
クラブ・ワールドカップに出場し、それぞれの大陸の王者と戦い、実力を測る機械にも恵まれています。
他育成面で見て行きましょう。メキシコはU-17代表の選手達は、海外に武者修行に出され、アジアの中東地域やヨーロッパへ遠征し、練習試合を重ねているようです。U-17ワールドカップでは、2005年と自国開催の2011年大会で優勝しています。2005年大会の優勝メンバーは、2012年に金メダルを獲得したロンドン・五輪の中心メンバーになります。
若い選手の育成面でも日本のサッカー協会よりも手厚いです。
回答をまとめます。
・日本は、メキシコのパスサッカーとカウンター攻撃を見習うべきです。
・メキシコ代表のサッカー協会は、日本サッカー協会よりも若い世代の選手の育成に力を入れています。
・国際舞台に出場する回数も南米サッカー連盟と深い繋がりのあるメキシコ代表は、代表チームでもクラブチームでも
日本を圧倒的に上回っています。
メキシコと差はあるかもしれませんが、日本代表の目指す方向性は間違っていないと思います。