●イラン代表をアジア最強に仕立てたカルロス・ケイロスの偉業
昨年、4月日本サッカー協会は、ハリルホジッチ監督を解任しました。
W杯2カ月前に協会が下した決断に対して、
背後に存在しそうな何かを感じ取った人も少なくないでしょう。
そこで今回は実際に政治の世界から過干渉を受けながら、
イラン代表をアジア最高のチームに作り上げた
カルロス・ケイロス監督の記事を訳しましたので、ご紹介いたします。
彼が率いたイラン代表は、堅実な戦いぶりでアジア予選を無敗で通過しました。
長らくFIFAランキングでアジア最上位を堅持する同代表は、
ロシアW杯でも台風の目になることを十分に期待できる素晴らしいチームです。
マンチェスターシティのペップ・グアルディオラもそうだが、
モウリーニョもリーグパフォーマンス向上のために数百万ポンドを投じてきた、
しかし、カルロス・ケイロスと彼の率いるイラン代表による功績は真に素晴らしいものです。
イランのフットボール界では、政治もその一部をなしています。
大きな試合の準備を妨げられたことも過去にありました。
イランが世界で孤立気味であることもそれなりに大きな課題をもたらしてきました。
親善試合の相手探しや海外からの資金調達などの面で
他のAFC加盟国よりも面倒なことが多いようです。
こういったことは近年、改善が進んでいるとはいえ、
韓国や日本やオーストラリアといった同じ大陸の強豪には存在しない障害も立ちはだかります。
イランのスポーツ界を管轄する機関が、
イラン代表の主力選手二人に代表チームでの活動を禁ずるという声明を発表したのです。
その二選手が所属するギリシャのクラブチームが、
ヨーロッパリーグ予選でイランが国として認めていないイスラエルのクラブチームと対戦したことが理由でした。
結局、ベテランのマスード・ショジャエイ(Masoud Shojaei Soleimani)は
チームから外され、エルサン・ハジ・サフィ(Ehsan Hajsafi)は残ることができた。
ショジャエイは、6月、6万人の観客が詰めかけたテヘランで
イラン代表がW杯出場権を獲得したときにキャプテンマークを巻いていた。
その男が出場できなくなったのです。
6年の任期中にケイロスは辞任を考えたこともあるし、
実際に辞任したこともありました。
2017年の初めにも辞任をしている(後に協会と和解して復職)。
彼とイランフットボール協会の関係は緊張状態になりやすい。
しかし、体制は、この元ゴールキーパーと共に良い進路を取れていることを分からなければない。
監督の指揮の下、イラン代表は同国史上最高のW杯が期待できるチームになっただけでなく、
この先何年間もアジア最上位に留まれるようなチームになりました。
そして、こういったことは全て、類まれな指導によって積み上げられたものでもあります。
果たして、ヨーロッパ以外で起きたことは重要ではないのだろうか?
ケイロスの働きは、FIFAの年間最優秀監督賞にノミネートされて然るべきもののはずです。