森に一匹のくまがいました。
春になり、長い冬眠を終えたくまは、
穴から出てびっくりします。
なんと森は跡形もなく消えて、
代わりに工場が建っていたのです。
くまは仕方なく人間たちと
一緒に工場で働くことになります。
くまは、仕事のミスで工場をくびになります。
ようやく訪れた自由をてにしても。
どうしていいのか分かりません。
雪が降り積もる中、穴の前で座り込み
「何か大事なことを忘れてしまったらしい」
と考え続けます。くまの忘れた大事なこととは?
読み手に深い余韻を残し、この絵本は終わります。
本当の自分とは?流れに身をまかせるのではなく、
自分の意思で自分の道を歩き続けるとは
どういうことなのか。。
くまが自分に問うたように、
この絵本の読み手もまた同じ事を
自分自身に考えるのではないかと思います。
子供向けに読むというより、
忙しく毎日を送る大人たちが読むと
いいのではと思われる絵本です。
くまちゃんと高校のバスケの先輩に
あだ名をつけてもらい、
(なんでそうなったのでしょう)
くまには なにかとご縁を感じるので
くまに関する絵本はすぐ読んだり、
購入したりします。
これは、わたしにとってスランプのときや、
自分を見失いそうになったりするときに
開く絵本でもあります。
1978年初版ですが、いつ
読んでも、新たな発見をします。