田中裕子と尾野真千子の共演ってところが気になっていたヤツ！置いてきぼりにされた人が渇望する「理由」について感情移入ビシバシできてなかなか見ごたえのある作品でした。ただ、先に一点だけ書いておくと特定失踪者を絡ませる必要があったのかな？この作品が変な誤解の基になったらそれは良くないな～って思えて、どこかの漁港のどこかの離島のお話であっても成立したお話だったんじゃないかな？と感じました。
漁港に暮す登美子（田中裕子）は夫が30年前に失踪して以来ずっと待ち続けていた。そんな中で幼馴染の春夫（ダンカン）は登美子に思いを寄せており彼女を自身の手で幸せな余生を送らせてあげたいと思っていた。そこへ中学教師だった夫が2年前に失踪し待ち続けている奈美（尾野真千子）が登美子を尋ねて来て彼女に助力を申し入れるのだが・・・
帰ってこない理由なんかないと思っていた人が帰って来なかったら？その辛さは相当なものだろうし、その理由を何としても知りたいって云うのがビシバシ伝わってきて切なさは満点でした♪30年待ち続ける登美子を「凄い」と云うか「おかしい」とまで感じた奈美の心情は正にその通りだと感じたし裏に何かあるのでは？と勘繰りながら見てしまいましたがソコはちょっと当てが外れました。それでもラストの言葉を聞けばもう、同じような辛さを経験すると可能性が僅かでもあるそういった関係を誰とももう築くことはできないって事なのかなと想像は出来ました。
主演の田中裕子を筆頭に目当ての尾野真千子も他の演者さん達も全員いい感じでそこだけでも観て良かったです♪特に尾野真千子がベランダで一服するシーンでの踏ん切り付ければ自分もまだまだ幸せになれる未来があるんだって云うような微笑みが最高♪お気に入りな女優だからこそ表情から多くの事を感じ取れるのかもしれませんが巻き戻してその微笑みをリプレイしちゃいました♪それからダンカン！役不足じゃない？と思っていたら春夫の情けないけれど一途なその気持ちが感じ取れてラストはちょっと同情できましたし、彼の母親役の白石加代子が流石の存在感で満足でした。
背格好の似た安藤政信と阿部進之介のキャスティングも上手いな～って感心しちゃったし、洋司を連れ帰った登美子は決して善意だけではなかったと感じ取らせるところも上手いな～って感心しちゃいました♪
それと登美子の親友役の田島令子が子供の頃から知った顔で、結構、キツメな人の役が多かったこの女優さんがいい感じの役どころだったのも心に残りました。そしてエンドロールで気が付いたのですが片山友希！♪早送りで探し回りましたが冒頭の裸で抱き合ってる若い登美子が彼女だったのか！？検索しても答えが出てこないのでず～と気になってます♪何はともあれ尾野真千子出演作に今のところはハズレ無し！が更新された作品でした♪
「千夜、一夜」 オススメ度 オススメ度 ★★★
