阿弥陀堂だより | バツイチアラカンオヤジの映画日記

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観た映画やドラマ、その他について、基本的にネタバレ無しで!無責任に感想を書き留めていきます。あらすじはコピペせず自分なりの文章でボケ防止を図りっているので当てにならないかも?!

どうして録画しておいたのか覚えてませんでしたがとりあえず鑑賞。全く期待せずに観たら何だかささくれだった心に優しくジワっと染み入る感じの良い作品でした!

知らずに最後まで観ましたが監督は黒澤監督に師事した小泉堯史監督。「雨あがる」や「蜩ノ記」などお気に入りの作品の監督さんで一人納得な感じでした( ´ ▽ ` )

医療の最前線で働いてきた美智子(樋口可南子)はある出来事をきっかけに夫・孝夫(寺尾聡)の故郷の村に移り住んできた。無医村だったその村では美智子たちを歓迎、美しい風景や素朴な人々に囲まれ覇気のなかった美智子は日に日に元気を取り戻していく・・・
悪意も妬みも嫉妬も全くない人々しか登場しない物語。多分、若い頃の自分ならばこんな綺麗ごとの物語を見せられてもシラケてしまっていたと思いますwwwでも、今の自分には心に沁みいるって云うか、星野源の言っていた「浸透力」を実感ですwww
まるで絵にかいたような美しい生き方をする人々を目の当たりにすると、そんなの無理!と拒絶が来るんじゃなくて「憧れ、近づきたい」って思いが強かったです。お梅さんの様に上手に生きたい!www
美智子のセリフ「他人の目に完璧に映る様にしていた」ってのは正に実感で、完璧な人なんていないと理解はしていながら自分はそれを演じようとする。そうやって無理している内に心が少しづつ擦り切れちゃうんだな~って感じました。
演者さん達がどの人もとっても良くて寺尾聡と樋口可南子の夫婦ぶりは、こんな夫婦いるわけないじゃん!と思いつつも憧れの目で見てしまう理想の夫婦像。村の子供たちと遊んでそれを見送るふたりのセリフ無しで伝わってくる感情は凄いなと感じます。
「お梅さん」を演じる北林谷栄さんがもう他人と思えないほどのおばあちゃんぶりで最高でした。北林谷栄さんは「大誘拐」でもとっても良かったけれど本作でも素晴らしいです。小西真奈美もほぼセリフ無しの役どころでしたがとても良かったし吉岡秀隆も若いながらいつもの様な安定感でした。
現実的には有り得ないだろう美しい生き方をする人々の平坦な物語、でもそこから気付かされることがあったとても良い作品でした(#^.^#)
 
「阿弥陀堂だより」 オススメ度 ★★★★