2009年6月17日 わしらは怪しい雑魚釣り隊
- わしらは怪しい雑魚釣り隊 (新潮文庫)/椎名 誠
- ¥580
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ずいぶん昔、たしか、私は中学生だった頃に「怪しい探検隊」を読んで大きく影響を受けました。
キャンプ、などと言わず、天幕生活というような言い方で、離れ小島でテント生活する話でした。
影響を受けて、当時中学生だった私は、仲間たちと自転車で淡路島に渡って、ヤスで魚を突いて捕獲しながら、キャンプをしはじめました。その頃の仲間とは大学生になるまでほぼ毎年夏休みになると、淡路島や四国でキャンプしました。まだビールなどの酒を飲まなくても、テントの中でトランプやUNOをしているだけで楽しかった日々でした。素晴らしい思い出です。
そういった活動の源となった、怪しい探検隊シリーズの最新刊でした。
登場するメンバーは大きく変わっていますし、主旨が「探検」ではなく「雑魚釣り」になっています。
ただの釣りではなくて、雑魚釣り、というのが面白いところです。
私は釣りが大好きなので、よく釣りに行くのですが、狙いとする魚は、当然ながら、イイもの。季節によって違いますが、たとえば、アジとかスズキ、メバル、カレイなど。
そういう本命ではなく、ゴンズイであるとか、ハオコゼといった曲者もよく釣れます。これらはがっかりする魚なのですが、まさにこういうガッカリな魚を狙うのが主旨になっているのでした。
そういうテーマで釣りにでかけるとすると、一風面白いのだろうなと思います。ヘンな、思いもかけない獲物を釣り上げた者が一番称賛を浴びる。いいですね。
2009年6月16日 人はなぜ形のないものを買うのか
- 人はなぜ形のないものを買うのか/野島 美保
- ¥2,940
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ネトゲ廃人という書籍を購入した際に、これもドウゾっておすすめされたので購入しました。
オンラインゲームとセカンドライフ(ちょっと古い!!)を題材に、真面目にビジネスモデルを検証する内容でした。
あくまでも多数アンケートの結果をもとにした分析が主体ですので、刺激的な内容というわけではありません。
セカンドライフに関しては、一時的ブームで盛り上がっていた2007年の後に記述されているので、ブーム時のような礼賛一辺倒、あるいは、批判一辺倒の内容ではないので、これはこれで安心しました。
この書籍の重要な点は、「売る側の視点での記述」であることです。
オンラインゲームであれば運営会社の目指すステップはかくあるべし、という内容です。消費者視点での内容を私は期待していたため、少々期待外れでした。
2009年6月15日 ネトゲ廃人
- ネトゲ廃人/芦崎治
- ¥1,365
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オンラインゲームをこの1年ほど楽しんでいます。
私は、毎日2時間から3時間くらいを費やしています。
最近、すこしのめり込みすぎかな?と思っていたのですが、こんなタイトルの本がありましたので、読んでみました。
オンラインゲームに中毒的にのめり込んでいった実在の人物へのインタビューによる記述です。
廃人とは、なかなか、衝撃的な語句です。しかし、オンラインゲーム仲間においては、「やり込んでいる達人」というようなちょっと尊敬やら羨望のまなざしを込めてつかわれることも多くて、必ずしも蔑称ではありません。
しかし、本書に登場する方々は、まさに廃人というのがぴったりな行動履歴を持っていて、びっくりしました。
子持ち女性がハマって、子育てより優先してしまうとか。
ネットでの恋愛に夢中になってしまって実在の世界の恋人をふってしまうとか。
アイテム購入などに血眼になるあまり、多額の借金をしてしまうとか。
でも、そういった廃人たちが廃人になっていくきっかけを読むと、そんなに特殊な話ではないだろうなと納得します。
私の場合、オンラインゲームで遊ぶようになったきっかけは、そのゲームのオフライン版のファンであったことがあります。しかし、継続的に1年間にわたって月額料金を支払いながら続けているのは、夜間、独りで時間があったからというのが大きい要素かなと思います。ほかの娯楽などに費やすのもよいのですが、オンラインゲームは、仲間とのコミュニケーションを楽しむこともできますし、逆に独りで楽しむこともできます。なんとも都合がいい世界です。
本書の登場人物が何人も述べています。「子供には手を出させたくない」
私には娘がいますが、ときどき、私がプレイしている横で見ていることがあります。
やっぱりこれはよくないかな、と思い始めました。
娘が起きている時間は、オンラインゲームはせずにいようと思います。
2009年4月29日 レッドクリフ パートⅡ
パートⅠを見たときに、4月公開という情報を知っていて、ようやく見に行ってきました。
三国志は非常に好きなので、いろんな書籍やらゲームもやってきました。
赤壁の戦いは、三国志演義、正史ともにどんな内容だったかを把握していると思っています。ですからパートⅡの内容にいろいろ突っ込みを入れようと思えば満載ではありますが、それは無し!がいいと思います。
映画監督の想いというのが、全体にわたって浸透していた印象です。
史実ではおそらく、孫権陣営と劉備陣営は決して一枚岩ではなかったはずです(どんな同盟だってそうです)。
ですが、映画においては、決裂を醸し出しつつも、ドラマチックに両者の信頼関係が描き出されていて、私は好きです。
願わくば、赤壁その後を描き出してくれたらなあと、思いました。
2009年4月28日 The Economist Apr.25th-May1st
北朝鮮が6カ国協議離脱を表明したことを中心にまとめられた記事がありました。英国はなにしろ地理的に遠いので、北朝鮮に興味はあまり無いのではないかと思いますが、きっちり記述されていました。
北朝鮮が10以上の核弾頭を保持していることや、先だっての「衛星打ち上げ」はミサイル実験であると断定していることなど、結構歯切れがよいです。
米国のObama大統領は、まだ北朝鮮に対する態度を明確にしておらず、そもそも、外交や安全保障に関するチームも不完全であると指摘。
そこで、カギを握るのは中国である。北朝鮮が離脱を表明している6カ国協議の議長国であって、北朝鮮なしの5カ国のとりまとめを期待する、という流れでした。
中国に期待しすぎな結論が、正統派すぎる感じですが、現状をよくまとめた記事だったと思います。日本で目にする北朝鮮関連のニュースとは違って、海外メディアの記事は新鮮でした。
2009年3月8日 モノポリー
- モノポリー
- ¥2,167
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娘(7歳)と人生ゲームで遊ぶ機会が多いので、もうすこし複雑で頭を使うゲームも、そろそろいいのではないだろうかと思いました。それで、モノポリーを手に入れました。
購入する土地などは、どうも米国のものでした。
私が子供の頃に遊んだモノポリーは、英国のロンドン周辺の地名だったかな、と思います。ピカデリーとかあった覚えがあります。
しょっちゅう刑務所に入ってしまうのが、さすがは外国ゲームと思います。
さっそく娘は夢中になってます。お金のやりとりが、これまでの人生ゲームでは銀行とのやりとりがほとんどでしたが、モノポリーではプレイヤー同士のやりとりも頻繁であるため、よりスリリングなのでしょう。それにスゴロクのような明確なゴールがないですから、どの土地を育てるか、手持ち金をいくら確保しておくか、とか頭を使います。
駒の数を見ると10人まで同時にプレイできるようです。
そこまで大人数だと実に面白そうです。破産者がすぐに発生しそうです。
2009年2月15日 絡新婦の理
- 絡新婦の理 (講談社文庫)/京極 夏彦
- ¥600
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昨年秋ころからハマっている京極堂シリーズの5作品目でした。
このシリーズを読んでいると妙に季節感があります。最初の作品が真夏。それからすこしずつ季節が移っていって、前作が真冬。今回の作品は冬から春に移る頃、ということでまさに今くらいの季節です。
そうはいっても、中身は相変わらずのウンチク三昧で、爽やかさとは程遠いのです。
今回はキリスト教が大きく取り上げられていました。これまで仏教だったり神道だったりというのがあったので自然な流れかもしれません。それに、過去の作品に登場してきた人物や場面が関係してくるのでうっかりしていられません。
真犯人と京極堂との最後のやりとりが、物語の一番最初に掲載されています。読み進めていくと、すっかり忘れてしまっていたのですが、最後の最後で、つながりました。この真犯人、思わせぶりな退場の仕方ですので、今後の作品でも登場してくるのではないかと予想しています。
次の作品も入手しているのですが、季節感を大切にして、春になったら読んでみようと思います。
・・・って、春が舞台の作品かどうかわからないですが、たぶんそうでしょう。
2009年1月27日 週刊ダイヤモンド1/31号 「新興市場の断末魔」
最近忘れかけていたのですが、日本には6つの新興企業向け証券取引所があります。
札幌証券取引所アンビシャス
ジャスダック
東京証券取引所マザース
名古屋証券取引所セントレックス
大阪証券取引所ヘラクレス
福岡証券取引所Qボード
特に札幌、名古屋、福岡は存在感薄いです。なんと抱えている上場企業数が10社程度しかいません。これでは存在価値が問われても当然でしょう。
この中でも比較的大物同士である、大証ヘラクレスはジャスダックと統合する予定です。
こういった新興市場も、2000年ころのITバブルでは盛り上がっていました。
上場すれば高い株価がついて、時価総額が跳ね上がったというニュースが毎日のようにありました。
ところが、現在では、「新興市場型粉飾決算」まみれになっている、というレポートがありました。
伝統的な粉飾決算とは違って、違法性がないので、なかなか追及しずらいのだそうです。
新興市場に上場する目的そのものが、「事業主の個人債務保証を逃れるため」というようになっていて、本来あるべきの資金調達目的から外れているケースが非常に多いのです。
そうすると、もともと事業主が負っていたリスクを負担するのは、新興市場投資家ということになって、割に合わない投資家は離れ、ますます市場が過疎化していくという悪循環です。
市場側が、悪質な企業を退出に追い込めるようであれば、浄化作用が働くというものですが、なにしろ日本に6か所も同業のライバル取引所が乱立しているので、他所がダメという企業を取り込もうとする誘惑に駆られるというものです。これもわかりますが、またも悪循環です。
こんなものなんでしょうか。寡占による傲慢化も困りますが、乱立の結果共倒れというのも策がなさすぎます。
2009年1月24日 「会議ファシリテーション」の基本がイチから身につく本
- 「会議ファシリテーション」の基本がイチから身につく本/釘山 健一
- ¥1,575
- Amazon.co.jp
会議の進行役、ファシリテーターというのだそうです。
かっこつけて英語で言ってるだけだろうと思っていました。
ところが、この本では、議長とファシリテーターを全くの別モノであるとしていました。
一番大きな違いは議案に対する議決権を、議長は持っているがファシリテーターは持っていないということだそうです。
でも、本書を読み進めると、結局は少々の気持ちの問題でちっとも変わらないものでは?と感じました。
本書の著者、ファシリテーターは会議の意見を整理してはいけない、と主張します。しかし、会議の時間が超過しそうになる段階ではどうなのか、というと、そのタイミングではファシリテーターの役割であると明言するのです。
それって、議長そのもの。
衆議院議長は多数決で同数意見のとき、最後の最後で議決権があるはず。
会議の在り方として、たくさんの意見を出して、合意形成をすることが大事であるという点は賛成できます。
ですが、ファシリテーションについての内容はいまいち薄くて期待外れだったなと思いました。
2009年1月20日 週刊ダイヤモンド1/24号 「寺、墓、葬儀にかかるカネ」
今週の特集は役に立ちました。なかなか表に出てこない情報が多いとおもいます。
「戒名」について。
これは墓参りにいくとしょっちゅう卒塔婆に「~居士」とかありますが、あの独特の称号です。なんと金で買うらしい・・・すごい仕掛けです。金を積めば積むほど、格の高い称号が得られるんだそうです。
でも、率直にいって、そんな方式、仏教のそもそもの考え方(知らないけど)に反しているように思います。
宗派によって違うんでしょうが、少なくとも金払いのいい人間が格が高いというのは違和感あります。
さらにびっくりなのは、
「このような事態をなんとかするべく、やっと仏教団体も取組を始めましたところがあります」
というところです。
取組を始めたのは、いかにも少数派という感じですね。
死んでしまった後に称号の格式なんて、何の役にも立たないでしょうから、私はいらないな、と思いました。
ダイヤモンド誌には、今回のように取り上げられると困る人たちが多数いるような分野でどんどんがんばってほしいものです。