2009年1月27日 週刊ダイヤモンド1/31号 「新興市場の断末魔」
最近忘れかけていたのですが、日本には6つの新興企業向け証券取引所があります。
札幌証券取引所アンビシャス
ジャスダック
東京証券取引所マザース
名古屋証券取引所セントレックス
大阪証券取引所ヘラクレス
福岡証券取引所Qボード
特に札幌、名古屋、福岡は存在感薄いです。なんと抱えている上場企業数が10社程度しかいません。これでは存在価値が問われても当然でしょう。
この中でも比較的大物同士である、大証ヘラクレスはジャスダックと統合する予定です。
こういった新興市場も、2000年ころのITバブルでは盛り上がっていました。
上場すれば高い株価がついて、時価総額が跳ね上がったというニュースが毎日のようにありました。
ところが、現在では、「新興市場型粉飾決算」まみれになっている、というレポートがありました。
伝統的な粉飾決算とは違って、違法性がないので、なかなか追及しずらいのだそうです。
新興市場に上場する目的そのものが、「事業主の個人債務保証を逃れるため」というようになっていて、本来あるべきの資金調達目的から外れているケースが非常に多いのです。
そうすると、もともと事業主が負っていたリスクを負担するのは、新興市場投資家ということになって、割に合わない投資家は離れ、ますます市場が過疎化していくという悪循環です。
市場側が、悪質な企業を退出に追い込めるようであれば、浄化作用が働くというものですが、なにしろ日本に6か所も同業のライバル取引所が乱立しているので、他所がダメという企業を取り込もうとする誘惑に駆られるというものです。これもわかりますが、またも悪循環です。
こんなものなんでしょうか。寡占による傲慢化も困りますが、乱立の結果共倒れというのも策がなさすぎます。