連休だったので、なんだかお久しぶり感がございます。
今週末も連休なるので、うれしいですね。
その分、平日が忙しくなるのが玉に瑕でございます。
本日は、そんなキズにまつわるお話でございますよ~。
さて、本日の死語は『赤チン』。
昔の子どもはよく、膝小僧なんかに「赤い印」がついていたのです。
転んで擦りむいたら、まず『赤チン』。
そんな時代があったのですね。
『赤チン』の正式名称はマーキュロクロム液。
暗赤褐色の液体で、皮膚・キズの殺菌・消毒に用いたのでございます。
同じく殺菌・消毒の目的で使われる希ヨードチンキが
(こっちは通称『ヨーチン』)が茶色だったことから、
赤いマーキュロクロム液のことを『赤チン』と呼ぶようになったのですね。
ちなみに、マーキュロクロム液は水溶液なのでチンキ剤ではないのです。
1919年にヒュー・ヤング医師によって開発され、
ヨードチンキなどより傷にしみないとされ、
全世界の家庭の常備薬の一つとして長く使われておりました。
ですが、製造工程で水銀が発生するという理由で
日本では1973年頃に製造中止されましたが、
べつだん製造・販売が禁止されたわけではないので、
海外で製造した原料を輸入することで現在も販売されているようです。
それが理由で、徐々に『赤チン』は敬遠されるようになったのですが、
その没落を決定づけたのは、1971年発売の「マキロン」でございます。
容器が使いやすい、液が無色だし、傷口にもしみない
などの理由から、あっという間に消毒薬の王座になっちゃたのです。
でも、その殺菌効果は『赤チン』の方がはるかにすぐれているそうです。
ケガしたことが一目でわかり、
なかなかとれない『赤チン』は、昭和初期の腕白小僧のあかし。
そんな気がいたしまする~。