風がめっちゃ強い。天気は回復傾向のようだ。小屋の人はすでに出発したか。

まだ明けぬ針ノ木岳を見る。

黎明の空に鹿島槍、女王様の姿が神々しい。

背後には立山と剣岳が見え始めた。

蓮華岳の肩にガスにまかれる槍ヶ岳の姿。

昨夜の雷雨はどこで過ごしたのか、もう朝食に出てきているライチョウ親子。

おお、剣岳に日が当たり始めた。

爺が岳中峰の真上にご来光。

安曇野のかなたに富士山、八ヶ岳、南アルプスを望む。

槍ヶ岳、だいぶ姿を見せてきた。

富士山もぼんやりと浮かぶ。

白馬村の方は雲海が広がっている。

強風にあおられるコマクサ。がんばれ!

剣岳をバックにコマクサ。

強風の中、爺が岳の最高峰、中峰へ。しばし休息。

だいぶすっきりしてきましたよ。

八ヶ岳もよく見える。

どうやらここが、北峰のピークらしい。ハイマツにピンクリボンのみ。

女王様に謁見。謹んで敗退いたします。出直してきます・・・

すっかり晴れてきた。槍ヶ岳もすっきりと見える。針ノ木の横には薬師岳。

ご機嫌の稜線をのんびり下る。

シャクナゲロード。

下山直前、なんとまあ、快晴だよ。すごい日だね。

憧れの女王様、今回は思いが通じず。まあ、すでに2回ほどお世話になっていますが。

下りは足取り軽く・・・はいつものことだったが、今日は足が重い。富士見坂から、富士山どうにか見える。

扇沢見えてきた。今日は車多いですねえ。

八ツ見ベンチから、八ヶ岳見えました。

下りてきてしまいました。安堵と無念の入り混じる心境の、いつもの登山口。

真っ青な快晴の空の下、赤い屋根の種池山荘を望む 柏原新道入り口駐車場。暑いなあ。

 

 前回記録の続きから。激しくフライをたたく雨の音を聞きながら、テントでぼんやり過ごすが、なんだか妙に寒気がする。上着を着ても妙に体が震える。おまけに微頭痛。なんだこれは。まさかの高山病?それとも風邪の症状?最近、風邪のひき始めでよく出る、背筋痛の症状まで。とすると、風邪か?どうりで力が出ないわけだわ。寝れば何とかなるかな。とにかく食べないと、とランチで食べ残したおにぎり一つをスープと一緒にのどに流し込み、あとは寝るだけ。夜半までずっと激しい風。すぐ後ろのカンバの木に吊るされているクマよけの一斗缶が時折「ガンガンガン」と音を立てる。雨がやまないから出て行って細工するわけにもいかない。

 寝たり起きたりを繰り返し、やっと3時。雨は止んでいるようだ。いつもなら起きる時間なんだが、背後の木立を強風が激しくゆすっている。ありがたいことにテントに風が当たることはないが、ごうごうと音を立てて風が吹いているのを聞きながら、こりゃだめだ。もう今日は下るだけか・・・

 4時、空が明るくなり始め、テントから顔を出すと、それでも晴れ間も見える。トイレに小屋まで行くと、小屋泊の人たちはすでに出発した人もいるようだ。爺ヶ岳の斜面にライトの明かりが見える。針ノ木と蓮華もすっきりと見えている。しかしすごい風だ。気後れしながら、体調のこともあるし、とりあえず爺ヶ岳までは行ってこよう。鹿島槍までは・・・厳しいかな。
 4時15分、テントはそのまま、戻ってくる頃には乾いていると期待して、出発。爺ヶ岳の斜面に入ると、昨日と同じ斜面、少しずれてライチョウ親子がもう朝食の最中。ガレ場を登っていくと、背後の立山、剣は頂上だけ雲の中。周囲の山に日が当たり始めた。雲が多く、すっきりしたご来光ではないようだ。蓮華岳の横に、雲にまかれる槍ヶ岳の姿。そして、爺ヶ岳中峰の真上に太陽の姿が見えた。ちょうど5時、爺ヶ岳南峰。白馬村方面は雲海が広がり、バラ色に光っている。安曇野の平野の奥には、富士山の姿。隣に八ヶ岳と南アルプス。そして、鹿島槍ヶ岳がドドーンと姿を見せた。しかし、吹き飛ばされそうなほどの風。南側に少し風をよけながら休憩。あとから来た男性も「おお、これはすごい」と風景に感嘆した後、冷池方面に進んでいった。しばし休息ののち、中峰へ。下っていく斜面の砂礫地にはコマクサが満開。ガレを登っていくと、爺の中で最も高い中峰。太陽は高くなったが薄い雲の中。背後には立山と剣が雲から姿を見せ始めた。風も次第に弱まっていく様子。15分ほど景色を堪能。縦走路に戻り北峰へ。ハイマツに覆われた小ピーク。縦走路はすぐ下をまいていく。ガレ場にうっすらの踏み後、ピンクリボンがポツン。10mほど登りハイマツをかき分け乗り越えていくとおそらくここが最高地点。ハイマツの枝にピンクリボンがぐるぐると巻き付けられていた。あとでGPSログで確認しても、しっかりピークマークを通過していた。北峰は登山対象ではないらしい。下りてきて、冷池山荘を見下ろす場所で小休止。鹿島槍方面から戻ってくる人が数人。昨日のうちに頂上を踏んだ人か、それとも今朝早朝出で山頂でご来光を迎えた人か。おや、昨日柏原新道で追い越された、10リットルくらいのランニング用バックパックのお兄さん。あの装備で小屋泊まりだったのかな。まだ6時過ぎ。ここから鹿島槍までは2時間強というところか。体調が万全なら、鹿島槍往復して昼までに種池に戻れると思っていたが、無理をするまでもない。戻ります。
 帰りは巻き道を通って。どんどん空は雲が減り、晴れ間も広がってくる感じ。ライチョウ親子を見ると、母鳥がじっと座っているのが見えた。雛は羽根の下で体温回復中かな。のんびり花を愛でながら歩き、7時30分、小屋近くまで戻ってきた。どんどん登ってくる人がいるが、今朝、扇沢をスタートした人たちだろう。小屋前も人が10人ほど。まだまだ登ってくる人もいる。太陽が姿を見せ、日が降り注ぐようになった。やっと遅い朝食。さて、テントは乾いたかな。

 テン場にいくと、もうすっかりテントはいなくなり、私を除く最後のひとつ、後から来た隣のテントのお兄さんが、撤収中。やがて出発していくと、誰もいなくなった。すっかりいい天気。テントをひっくり返して、天日干し。マットやシートや濡れてしまったものもあちこちに広げて乾かす。30分ほどですっかり乾いた。9時少し前、パッキングを終えて小屋前に戻るとさらに人は増えていて、登ってくる人下りてくる人多数。すっかり快晴。最高の日になった。名残を惜しんで小屋周りをしばし散策。女王にも最後のご挨拶。また出直させていただきます。小屋前ではコバイケイソウが咲き始め。種池のほとりにはキヌガサソウが満開。やっと雪が消え一気に花が咲く季節。いつまでも居たかったが、後ろ髪をひかれながら9時30分、下山開始。12時までには下りられるかな。

 下りも足は重く、よろけながら歩いて不安定な右足をかばっているためか、左足が痛くなってくる始末。下りでさえどんどん人に追い越される。ほんとに情けないなあ。富士見坂からは富士山が見え、八ツ見ベンチからは赤岳が見えた。最後の樹林帯ジグザグが長い長い。やれやれどうにか正午の少し前、登山口に到着。雲一つない快晴の空に、赤い屋根の種池山荘を見上げる、最高の登山口に到着です(苦笑)ふもとは真夏日。暑さ半端ない。とにかく荷物を車に押し込み、走って下り大町温泉郷の薬師の湯へ。しまった、小屋で割引券をもらい損ねた(笑)露天風呂からは鹿島槍の姿を見ることができる。いつも山から下りたころには真っ白なことが多いのだが、今日は時間を追うごとに雲ひとつなくなり、まさに快晴。せっかくの幕営、雨に降られに行ったようなもの。まあそんなときもある。
 風呂から出て、さらに下って大町駅最寄りの昭和軒へ。かつ丼を食って元気を取り戻さないと。元祖ソースかけかつ丼が名物。おいしくいただきました。



 安曇野IC最寄りでお土産におやきを買って帰宅。岡谷ジャンクションは工事渋滞。塩尻で下り、後は下道を帰る。諏訪湖畔から見事な八ヶ岳連峰。こちらもまた雲一つない快晴の空だ。今日はどこの山でも最高の展望が得られたことだろう。

 二日間の記録 歩行距離17.5㎞ 行動時間15時間27分(設営、撤収、休憩も含む)累積登高1857mでした。